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宮崎建設通信社
2016/10/20

【宮崎】漁港整備事業2件の新規着手了承 公共事業評価委員会

 宮崎県が実施する公共事業を評価する「宮崎県公共事業評価委員会」(谷口義信委員長=宮崎大学名誉教授、委員10人)の平成28年度第2回会合が19日に開かれた。会合では、農政水産部が計画する漁港基盤整備事業2件(北浦漁港=延岡市、川南漁港=川南町)の事前評価を行い、いずれも来年度の新規事業化が了承された。
 公共事業評価は、事業の必要性と効果について客観的な評価を行うことにより、効率的・効果的な社会資本の整備を実現するために実施するもの。評価の体系は、事業着手前に重要度や投資効果等を評価する事前評価、着手から一定年数経過時点で進捗状況や効果等を把握する再評価、事業完了後に効果や影響等を確認する事後評価に分類される。
 19日に開かれた会合では、農政水産部が所管する水産流通基盤整備事業北浦漁港と水産生産基盤整備事業川南漁港の事前評価を実施。東日本大震災の被害を踏まえ、漁港の防災・減災対策を推進すると共に、被災後に於ける地域水産業の早期再開が期待できるなどの事業効果を担当者が委員に説明した。
 北浦漁港では、宮野浦地区の@東防波堤L=102mA北防波堤L=275mB北防波護岸L=154m、市振地区のC古浦防波堤L=598mD古浦南防波堤L=210mE古浦南防波護岸L=82mF市振西防波堤L=194mG市振北防波堤L=90mの改良を実施。L1津波に対する安定性確保や洗掘対策として、堤体拡幅、裏込材の嵩上げ・被覆を行う。
 このほか、古浦第2岸壁(L=150m)の引波対策として、補強杭等の追加工事を実施。事業を実施することで漁港周辺の浸水域及び浸水深の減少を図り、住宅・人的被害の軽減につなげる。事業期間は平成29年度から平成38年度までの10年間。全体事業費は21億円で、毎年度2億円程度の事業費を投入する。
 一方、川南漁港に関しては、計画延長130mの防波堤を新設すると共に、北浦漁港と同様、沖防波堤(L=70m)及び北防波護岸(L=159m)の改良を実施。堤体拡幅による自重増加や背後基礎マウンドを嵩上げすることで、連続して来襲する津波による倒壊を抑制し、粘り強く防御できる構造とする。
 これらの外郭施設整備と合わせて、既設岸壁(L=91m)に腹当コンクリートを追加することで耐震・引波対策も強化。港内静隠度を確保し、水産物の生産性や漁労就業環境の向上を図る。事業期間は平成29年度から平成38年度までの10年間。全体事業費は19億9000万円で、毎年度2億円程度の事業費を投入する。

■再評価4件の継続了承

 当日はこのほか、県土整備部が所管する広域河川改修事業広渡川(日南市)、総合流域防災事業花の木川(都城市)、総合流域防災事業天神川(串間市)、県道木脇高岡線太田原・宮王丸工区(国富町及び宮崎市)の再評価も実施。担当者が事業概要や進捗状況などを委員に説明し、全事業の継続が了承された。
 河川事業3件に関しては、無堤箇所の解消や流下能力の向上を目的に、各流域で河道及び河川敷の掘削、堤防・護岸整備、橋梁架替、堰改修等に取り組むもの。全体事業費と事業費ベースの進捗率は、広渡川が94億5100万円(71.3%)、花の木川が58億1700万円(77.6%)、天神川が23億円(62.3%)となっている。
 一方、未整備区間の解消や東九州道へのアクセス強化を目的とした木脇高岡線太田原・宮王丸工区(全体延長2230m)の進捗率は、全体事業費46億円に対して28年度末で35.3%となる見込み。平成38年度の事業完了を目指し、盛土構造による道路整備や宮王丸橋(L=244m)を含む構造物の整備に取り組む。
 これまでに宮王丸工区内の710m区間を部分供用済。今年度は太田原工区の農業用パイプライン移設や盛土工事、宮王丸工区の用地買収を進めている。字図混乱地の整理や用地取得、河川内民地の特定等に時間を要したため事業が長期化しており、今後は本庄川〜明久川区間の未買収地取得後に橋梁工事に着手する予定でいる。