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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/10/21

【山梨】中山間都留西部地区、新規事業化へ

 県農政部は、新規事業化を計画している中山間地域総合整備事業の都留西部地区(都留市宝、東桂)を県の公共事業評価委員会(13日)に説明し、事業化が妥当と評価された。2017年度から25年度までの計画で、区画整理26hをはじめ、用排水路2・4q、農道2・3q、鳥獣害防止施設15・8qなどを整備する。総事業費は約23億円。
 事業化が妥当と評価されたことを受けて、県では17年度の事業化を目指す。
 都留西部地区は、小規模ほ場が多く、農道や用排水路が未整備で、シカやサルなどの野生鳥獣被害も発生するなど課題が出ている。一方で都留市では、県の事業計画地の近くで農林産物直売所の建設を来月完成へ進めており、さらに富士山の世界文化遺産登録で観光客が増加している地域でもあるため、県では、直売所と連携した農業基盤整備の整備を行い、観光と農業の活性化を図ることを計画した。
 全体計画は、区画整理26h(3カ所)、用排水路2・4q(4路線)、農道2・3q(3路線)、鳥獣害防止施設15・8q(6カ所)、営農飲雑用水2カ所、防火水槽3カ所。事業期間は17年度から25年度まで。総事業費は約23億円(国費12・65億円、県費6・9億円、市費など3・45億円)。
 評価委員会で県は、事業の経済効率性について、費用21・1億円(区画整理4・3億円、用排水路3・4億円、農道3・3億円、鳥獣害防止施設3・9億円、営農飲雑用水6億円、防火水槽0・2億円)に対して、便益は32・5億円であり、費用便益比は1・54で国の採択基準1・0を超えていることを説明。
 事業は既存施設の改修が中心で、農道は極力既存の在石を再利用(石積み施工)し、区画整理は土羽構造を基本とすることで周辺景観に配慮。整備の対象は、ワークショップや事業説明会によって合意された施設であり、事業実施の熟度は高いことも説明した。
 これらの事前評価項目が妥当であるため、県では新規事業化を図ることを委員会に諮り、了承された。
 年度計画と事業費は次のとおり。
 ◆17年度=測量・設計(1億円)◆18年度=用排水路、農道、鳥獣害防止施設(3億円)◆19年度=区画整理、用排水路、農道、鳥獣害防止施設(4億円)◆20年度=区画整理、用排水路、農道、鳥獣害防止施設(3億円)◆21年度=区画整理、用排水路、鳥獣害防止施設(3億円)◆22年度=区画整理、用排水路、鳥獣害防止施設(3億円)◆23年度=区画整理、営農飲雑用水(3億円)◆24年度=防火水槽、営農飲雑用水(2億円)◆25年度=防火水槽、営農飲雑用水(1億円)