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建設新聞社
2016/11/02

【東北・福島】最優秀案は楠山・フォルムJV/福島市の養護学校基本設計プロポ

 福島市は、福島養護学校の全面改築に向けた基本設計の受託者を公募型プロポーザルにより選定を進めた結果、最優秀者に楠山設計・フォルム建築計画JVを特定した。今後契約手続きに入る。
 技術提案者は▽楠山設計・フォルム建築計画JV▽桂建築設計事務所・大野建築設計事務所JV▽環境デザイン研究所・アークJV▽関・空間設計・菊地設計JV▽田畑建築設計事務所・鈴木設計JV▽杜設計・小島建築設計事務所JV―で、このうち桂建築設計事務所JVを除く5者が一次審査(書類審査)を通過。10月21日の二次審査(公開ヒアリング)を経て、最優秀者に楠山設計JV、次点に環境デザイン研究所JVを選定した。
 同校は、知的障害者のための特別支援学校として、1965年に現在地の福島市山居146の1地内で校舎を建設。現施設は7棟計延べ約3750平方bで構成されている。
 改築計画は、老朽化や耐震性不足、バリアフリー化など喫緊の課題、さらには児童生徒の増加や障害の重度化・多様化など特別支援学校へのニーズの高まりに対応するため立案。2015年度に整備計画を策定し、現在地(敷地面積1万5604平方b)での規模拡大による改築を決めた。
 改築規模は、校舎が延べ約6000〜6500平方b、屋内運動場が延べ約900平方b、給食調理室が延べ約180平方bを想定。このほか、倉庫、駐車場約100台分などを整備する。プールは既存施設を使用し将来的に改修または改築を行う。
 今回の業務では、基本計画・基本設計の作成、コスト検討書の作成などを行う。履行期間は17年11月を予定。
 基本設計完了後は、17〜18年度で実施設計および地質調査、18年度から仮設校舎設置や解体工事など準備工を進め、19年度から本体工事に着工、全体事業完了は23年度に設定している。概算工事費は約30億円。
 最優秀者の提案について審査講評では、技術面、取組意欲、理解度とも良好でバランスのとれた提案と印象を述べ、なかでも校舎配置を現況の配置に近いT型とし、敷地を有効に使える3階建てのコンパクトなつくりとしたことや、中廊下方式の活動空間構成、給食室からの配膳運搬動線の考慮などを高評価。また、特別支援教育のセンター的機能に対する言及や安全面の考え方などもしっかりしており、今後の対応に期待が持てる提案としている。審査委員長は長澤悟東洋大学名誉教授が担当した。

 提供:建設新聞社