トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2016/11/08

【徳島】徳島市の中心市街地活性化関連3事業動向

 徳島市の諮問有識者会議が現在進めている「中心市街地活性化推進会議」では、白紙に向かう新町西地区市街地再開発事業に代わる新たなまちづくり案を模索する一方で、それに関連する眉山山頂観光展望新施設事業(眉山山頂整備事業)やひょうたん島川の駅ネットワーク構想、LEDによる景観整備事業(シンボルゾーン等光環境整備事業)の今後の在り方も議論されている。有識者会議では、これら事業の方向性についても11月中に市へ提言することにしている。
 各事業の現況と今後の見通しを整理してみた。
<眉山山頂整備事業>
 眉山観光資源を活用した魅力アップ計画の柱の一つに位置付けている事業。市は2013年度に「眉山魅力アップ計画」を策定。眉山山頂からJR徳島駅前までの直線的区域をシンボルゾーンと位置付け、一体的に魅力のあるにぎわいづくり(観光振興を主体としたまちづくり)を目指していた。
 計画では、新観光展望施設の整備や既設の展望休憩施設を改修するなどし、観光振興の観点から眉山ロープウエーの利用客数の伸び悩みを解消し、観光客が長時間山頂に滞在できる環境づくりや眉山からJR徳島駅前までの活性化を図るものだった。15年度の10年後を見据えた政策の再構築でいったん整理された上、遠藤市長が新町西地区を白紙撤回することになり、中断に至っている。
 新観光展望施設の計画規模は、鉄骨、鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ735平方bで、総合案内所、吹き抜けイベント広場、展望広場などの配置を予定している。改修する展望休憩施設の規模は、鉄筋コンクリート造3階建て延べ330平方bで、そのうち1階のレストランを中心に250平方bを改修する。
 建設地は眉山町茂助ケ原の眉山ロープウエー旧山頂駅舎(モラエス館)跡地。当初予算には建設事業費として6億7787万円(工事費5億4600万円余り)を計上している。
 有識者会議で市は、モラエス館の解体で事業がストップしている現状報告や仮に新施設の整備を行わなかった場合に既設の展望休憩施設を別途改修し利用する案を提示。委員からは、新施設の整備に関して否定的な意見が相次ぐ一方、各種イベント等ソフト面を重視した仕掛けを頂上に求めたり、眉山を公園化したり、遊歩道の整備などを求める声があり、提言で計画の見直しは必至の状況になっている。
<ひょうたん島川の駅ネットワーク構想>
 14年6月に策定した構想に基づき、市民活動団体を中心とした活動展開の下で「川まちづくりの拠点整備」「とくしまの新たな風物詩として展開できる場の実現」「市民や来訪者がまち歩きを楽しむことができる徳島ならではの手軽な移動手段としての拠点づくり」を目指し、川の駅を整備する事業。
 15年12月に当初7カ所としていた川の駅候補地を川の駅3カ所(新町橋河畔桟橋、とくしま文化公園前桟橋、万代中央ふ頭桟橋)、川の停留所4カ所(徳島城博物館助任桟橋、新町川水際公園ボートハウス前桟橋、あわぎんホール前桟橋、文学書道館寂聴桟橋)に整理するとともに、公共交通機関と連携して中心部への新たな移動手段として取り組むよう計画を見直していたが、新町西地区が白紙に向かうことになったため、再開発事業と一体的に整備する予定だった新町橋の整備が中断。また、その他の川の駅や桟橋の整備なども改めて検討が必要になっている。
 市によると、現状では、新町橋は実施設計が完了し、16年度中に桟橋にかかる護岸部分の整備に着手する予定だった。この他、助任も実施設計が完了しており、16年度には整備に着手し、完成後は整備済みの桟橋を使い、運航に係る課題を洗い出す実証運行を開始する予定だった。
 有識者会議で市は、中心市街地への人の流れを創出するため、新たな川の駅・川の停留所候補地に、イオンモールのできる南末広やフェリーが発着する沖洲マリンターミナルの他、徳島県庁前やアスティとくしま前を追加検討する見直し案を示した。この他、川の駅に「コミュニティサイクル」やパーク&ライドなどの機能を付加し、新たな移動手段の確立を図る他、SUPやカヌーなどの水上アクティビティの拠点施設としての機能を持たせ、市民の日常に新たな文化を創出し、水都とくしまを代表するエリアとする考えも追加している。
 委員からは、「中心市街地のまちづくりのキーワードに水上移動は欠かせない」と好意的な意見が相次いだが、駅整備には後背地が重要とし、「核となる新町橋には音楽・芸術ホールは必要」という声もあった。
<シンボルゾーン等光環境整備事業>
 市の顔ともいえる徳島駅〜阿波おどり会館までのシンボルゾーンにおいて、街並みと調和した気品のある夜間景観の創造を目指す都市照明整備を図る事業。市ではLEDアートフェスティバルや新町川に架かる橋梁のLEDアート修景などを進めており、「LEDのまち」をいっそう県外に周知するため、LEDを使った都市照明整備の計画を進めていた。15年度に基本計画の策定に着手したが、眉山山頂整備と同様に15年度の政策再構築と新町西地区の白紙撤回などで中断している。
 有識者会議で市は、同事業を地域資源のLEDを活用したまちづくりの中核に位置付けられる重要な事業とし、新町西地区の方向性とは別に徳島駅から阿波おどり会館・眉山への誘導や、LEDアートフェスティバルとの関連付け、眉山ロープウエーやパームツリーなどを先行して整備していく方針を示した。委員からは昼間時の工夫を考えるよう要望があった以外は特に異論は出されなかった。

提供:建通新聞社