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日刊建設タイムズ社
2016/11/10

【千葉】ふ頭再編や民間活力導入/県港湾課/千葉港長期構想案策定/ゾーン設定で施策展開

 県県土整備部港湾課は、「千葉港長期構想案」をとりまとめ、9日からパブリックコメントを開始した。構想は概ね20〜30年後を展望し、千葉港の将来像や基本戦略、将来の空間イメージなどを示した。ふ頭の再編・港湾機能の強化として千葉中央地区で埋め立てにより用地を確保し、ふ頭を再編するほか、民間活力を導入し、物流機能の高度化を図る。空間利用では物流関連ゾーンなど6つにゾーニングし、ゾーン特性を生かした空間利用となるよう施策を展開する。
 長期構想案は、@長期構想の概要A千葉港の現況B千葉港を取り巻く社会情勢の変化C利用者・県民のニーズD千葉港が抱える課題E千葉港の長期構想――の6項目で構成。基本理念を「千葉の経済と600万県民の生活を支える社会基盤としての千葉港づくり」とし、千葉港の将来像と目標を設定。将来像の実現に向けた基本戦略と施策展開を示した。
 将来像は、@グローバル化、地域間競争の時代の県内企業の発展を支える千葉港(将来都像T)A県民の生活と安心を支え、県民と共にある千葉港(将来像U)B環境を守り、人々が海を感じふれあえる千葉港(将来像V)――の3項目を設定。
 将来像Tの基本戦略では、千葉中央地区で不足するヤードを確保するため、千葉中央ふ頭と出洲ふ頭の間の埋立により港湾用地を確保し、ふ頭を再編。埋め立てにより生じた土地については、民間活力を導入した手法で高機能倉庫等を整備または誘致し、物流機能の高度化を図る。岸壁、荷捌地、野積場等は再編し、照明設備等を設け、夜間荷役に対応。岸壁は増深を図り、船舶の大型化に対応する。2つのふ頭の倉庫群は、区画整理等で移転・集約化し土地を高度利用。ふ頭内の荷役・運送の効率化のため臨港道路の適切な配置・整備を進める。
 また、葛南地区(葛南西部、葛南中央、葛南東部)では、国道357号へのアクセスを複数確保することで交通渋滞を緩和。併せて葛南中央地区と葛南東部地区を結ぶ臨港道路を新設し、葛南地区から千葉中央地区へのアクセスを改善。これらの取り組みにより東京湾における鉄鋼・鋼材、食品関係物流拠点の機能向上を目指す。
 将来像Uでは、賑わい空間の創出として、千葉中央地区、千葉北部地区で旅客船桟橋を整備。クルーズ船が接岸できるよう岸壁施設を改良し、地域のクルーズ船誘致活動や船社の寄港要請に適切に対応できる体制を整える。また、安全・安心のための港湾づくりとして耐震強化岸壁や緊急輸送道路である臨港道路等を計画的に整備し、港湾機能の災害対応力を高める。
 将来像Vでは、環境に配慮した港湾施設の整備とモーダルシフトの推進として、港湾施設の整備に伴い、再生可能エネルギーの活用やハイブリッド型クレーンの導入の検討、照明のLED化、倉庫・事業所等の屋上・壁面緑化を推進する。
 このほか、民間活力の導入による港湾経営・管理・整備とし、PPP(PFI、コンセッション)、港湾運営会社、指定管理者制度等のあらゆる可能性を検討し、3年程度ののちに導入する。
 一方、将来の空間イメージでは、@物流関連ゾーン(外貿コンテナ)A同ゾーン(公共一般、RORO貨物)B産業ゾーンC都市機能ゾーンD親水・交流ゾーンE自然環境の保全・再生ゾーン――の6つのゾーニングを設定。葛南東部・葛南中央・葛南西部地区、千葉北部地区、千葉中央地区、千葉南部・八幡・五井・姉崎・袖ヶ浦地区の各地区ごとにゾーン配置を示した。
 パブリックコメントは来月8日まで実施。その後、同月に千葉県地方港湾審議会千葉港部会に諮り、年内に長期構想を策定する予定。k_times_comをフォローしましょう
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