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日本工業経済新聞社(埼玉)
2016/11/11

【埼玉】埼玉アスファルト合材協会の全体会

 埼玉アスファルト合材協会(島村健理事長)は9日、さいたま市南区の建産連研修センターで2016年度(平成28年度)全体会を開催した。日本アスファルト合材協会の菅野秀次常務理事を講師に招き、合材工場の化学物質リスクアセスメントと独占禁止法について講義を受け、会員企業の従業員の健康維持のための工場など職場環境の改善への取り組み強化とコンプライアンスの徹底を確認した。
 島村理事長は「ことしは特に、県との連絡会議と本日の全大会が大きな事業となります。昨年と同様、菅野常務理事においでいただきましてお話をしていただくことになっておりますので、短い時間ですが是非とも参考にしていただければと思います」とあいさつ。
 合材工場の化学物質リスクアセスメントについて菅野常務理事は、アスファルト合材工場におけるSDS(Safety Data Sheetの略。安全データシート)の取り組みとして、化管法や安衛法における変更点などを解説した。
 アスファルトのSDSはことし6月に改訂されており、合材工場で具体的に行うこととして▽原材料などのSDS入手▽ラベル表示と事業所内掲示▽合材のSDS作成・交付−を強調。特定化学物質であるトリクロロエチレンの代替え品のディップソールについては、作業環境濃度のモニタリングの徹底を周知した。
 過去の安全管理は、目に見えるものに対する危険防御だったが、現在は目に見えない危険をいかに把握するかが重視されており、職場で使われている化学物質のリスクアセスメントの重要性と、実行する企業・職場での対応などについて述べた。
 また、独占禁止法については価格カルテルの成立要件などについて解説。基本的な排除措置命令、課徴金納付命令、課徴金減免制度などに触れた後、不当な取引制限が成立するためには、複数の事業者による意思の連絡が決め手となり、競争性を阻害する場合などが説明された。
 意思の連絡の成否については、複数の事業者間で価格などを決定した場合や、業界団体の会合で、商品の値上げを表明した場合などの例を挙げ、より具体的に話した。
 これらに対して、公共目的性のあるカルテルとして、環境の保全・省資源を目的としたリサイクル施設の建設、製品の安全性確保のための基準設定、労働時間短縮を目的とする連続休日の設定などは、行為がカルテルとしても競争の実質的制限を目的としないため競争促進効果もあり、非ハードコアカルテルとして説明された。