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建設経済新聞社
2016/11/15

【京都】学校施設マネジメント基本計画 年平均支出約109億円想定

 京都市教育委員会はこのほど、「京都市学校施設マネジメント基本計画」(長寿命化による持続可能な教育環境づくり)の素案をまとめた。
 同計画は、学校施設の長寿命化を図るため、今後の学校施設の維持・管理等に関する基本的な考え方及び方向性を示すもので、計画期間は29年度から38年度の概ね10年間とした。
 同計画を踏まえ、京都市学校施設マネジメント行動計画を策定するとし、行動計画の期間は30年度から39年度までの10年間を想定する。この10年間において、1校あたりの調査・計画・設計に要する準備期間を概ね3年間、工事に要する施工期間を概ね1〜2年間とし、合わせて概ね4〜5年間の準備・施工の期間を想定して、対象校数や工事内容・規模等を検討・調整する。
 対象施設は幼稚園16、小学校166、中学校73、高等学校10、総合支援学校8の273校園(休校中及び閉校した学校を除く46校)で、建物の保有量(総延べ床面積)は165万8893u。
 各学校の校舎の目標使用年数は、「60年」(一般的なRC造の建物の改築年数)、「80年」(学校施設は原則80年を目標に設定)、「100年」(今後建設する学校施設は100年以上の使用を前提とした設計構想を進める)の3種類に分けて取り組む。
 新築の場合は概ね築後30年頃をメドに原状回復のための予防保全の工事を行い、劣化を防ぐ。
 次に築47年をメドに構造躯体の健全性調査を行って、必要な改修工事の内容・程度を点検・検討し、概ね築50年頃をメドに長寿命化に効果的な改修を行って、施設機能の向上を図る。
 また学校施設カルテを作成し、基礎情報や修繕・点検・評価情報のデータベース化を図る。
 体育館は、概ね小学校で延720u、中学校で延800u以上の場合、長寿命化改修工事を行うとした。小学校で延720u、中学校で延800u未満の場合、改築を行うとした。
 プールは、概ね築30年以上経過のプールを対象に、老朽化の進捗度や改修・修繕履歴等を総合的に判断し、改修又は改築に取り組む。
 長寿命化のコスト見通しによると、築60年で建て替える場合、30年度から100年度までの70年間の総工事費(改築・改修・予防保全の経費総額の概算推計)は計約8517億円に及び年平均の財政支出額は約129億円と試算した。
 80年で建て替える場合、70年間で約9096億円、年平均は約137億円。100年改築の場合、70年間で約7179億円、年平均で約110億円と試算した。
 この試算を踏まえ、60年・80年・100年を組み合わせによる学校施設マネジメント計画を進める考え。第1期行動計画の8年間(29年度から36年度まで)の年平均支出額は約109億円を見込む。
 なお市教委は1日、「京都市学校施設マネジメント第1期行動計画(案)」策定業務について、浦辺設計(大阪市中央区)を受託候補者として選定した。委託期間は29年3月31日まで。