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建通新聞社(中部)
2016/11/28

【三重】予定価格事後公表の試行を継続 三重県

 三重県県土整備部は、2014年度から試行している予定価格の事後公表を16年度も継続する。12月1日以降、総合評価落札方式の工事を予定している建設事務所が1件以上試行することを目標としている。試行に当たり、15年度からの変更点として官積算の公表の廃止などにより、手続き期間の短縮化を図るなどの改善を行う。
 対象工事の基準は前年度と同様で、各建設事務所が発注する土木一式工事のうち、予定価格が「7000万円以上1億5000万円未満」の総合評価落札方式の工事。試行に当たっては、予定価格の積算を事前に行わず、従来の試行と同様に入札時(開札日)に積算業務を行う。
 15年度試行との変更点は、「積算内容に対する質問期間の廃止」、「官積算(設計内訳表+明細書)の公表の廃止」の2点。15年度の手続きでは、開札後の「官積算」公表と、「積算内容に対する質問」までの期間を3日間取っており、この期間を含めて、開札から落札決定まで1週間を要していた。15年10月に実施した予定価格事後公表に関するアンケートで、この手続き期間について「時間がかかり過ぎる。この間、配置予定の技術者を他の工事に配置できない」との回答や、また、「見積もりするための条件が不足している」との指摘もあった。二つの課題に対処するため、開札後の官積算の公表を廃止し、公告段階で、詳細な見積もり条件を示す積算参考資料を公表し、積算に対する質問を開札前の通常の「質問受付期間」で受け、質問期間を一本化し、手続き的には、予定価格事前公表と同じ手順とした。これにより課題の解消を図る考えで、16年度に同方式の検証を行う。
 県は、予定価格の事後公表について、適切な見積もりを促すための施策として検討し、改正品確法の運用指針で示された「適切な競争環境の確保」の一つの取り組みとして、14年10月から試行を開始した。11月に公表した新三重県建設産業活性化プラン(仮称)の最終案にも「積算能力の向上の取り組み」のための施策として、「予定価格の事後公表に取り組む」として試行することを盛り込んだ。
 試行状況を見ると、14年度の試行実績は、5建設事務所で公告し、4件が契約、1件は中止となった。契約した4件の落札率は、95〜97%となった。
 15年度の試行実績は、9建設事務所で計13件を公告し、11件が契約、2件は中止となった。契約した11件の落札率は、86・7〜89・9%となった。延べ54社が応札した。前年度に比較すると落札率が低下し、低入札調査基準価格に近接した価格へ集中する傾向が顕著となった。

提供:建通新聞社