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秋田建設工業新聞社
2016/11/22

【秋田】県市連携文化施設/補正案に基本設計費計上・債務負担で1.3億円

 県文化振興課は、県・市連携文化施設の整備に向けた基本設計業務を年度内に委託するため、12月補正予算案に基本設計業務委託費として1億3,551万9,000円の債務負担行為を上程した。補正案にはほかに、基本設計関連業務として行う設計者選定委員会の開催や地質調査にかかる費用、駐車場敷地として確保を目指す隣接地(秋田和洋高等学校敷地)の移転補償費事前調査費などを盛り込んでいる。基本設計業務はプロポーザルで委託する予定。
 県と市は老朽化した県民会館や文化会館の代替施設として、「秋田の文化力を高め、文化の力で地域を元気にしていく」という基本目標を掲げ、新たな文化施設を建設する。新施設は現在の県民会館敷地(13,225u)に地上3階・地下2階建て、延べ床面積約21,500uで建設。建物最高部は現在の地盤から25m、建物地下最深部は道路面から10mで計画されている。
 施設は「高機能型ホール(6,500u)」「舞台芸術型ホール(3,400u)」「エントランスロビー(800u)」のほか、公演のリハーサルやサークル・劇団等の練習、伝統芸能の継承・発展など芸術文化活動の創造の場となる「文化創造部門(1,800u)」、情報センター機能などがある「情報発信・にぎわい創出部門(500u)」「管理・共用部門(8,500u)」の6機能で構成する計画。
 市立中央図書館明徳館の向かい側に舞台芸術型ホール、旧県立美術館側に高機能型ホールを配置。にぎわい創出や情報発信、カフェ、多目的スペース、管理部門などは1階、文化創造部門は地下1階および地上2階、3階に配置する。
 概算事業費は約200億円で、調査(地盤、埋蔵文化財、建物事前調査等)に1億5,000万円、県民会館解体に4億5,000万円、造成に2億6,400万円、設計・監理に3億7,800万円、本体工事に181億2,300万円、外構工事や備品に6億3,500万円がかかると試算されている。
 財源は社会資本整備総合交付金(暮らし・にぎわい再生事業)や公共施設最適化事業債を活用する方針で、補助金が満額認められた場合の県・市負担額は、現段階で86億円程度と見込まれている。
 このほか、課題となっている駐車場用地として隣接の秋田和洋高校敷地を検討していることに伴い、同校の移転新築費や駐車場整備費用に概算20から25億円がかかると試算している。県と市、学校法人和洋学園は今月、移転を前提に今後の協議の進め方を定めた覚書を締結。新年度で移転補償等に関する契約を締結する予定となっている。
 今回、12月補正予算案で1億3,551万9,000円の債務負担行為を提案した基本設計業務は、1月以降にプロポーザルで公募する。県外の大手設計業者を軸に、地元設計業者の関わり方などについても現在、検討している。

提供:秋田建設工業新聞社