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建通新聞社(東京)
2016/12/06

【東京】都 40年代見据え都市づくりの制度・手法検討

 東京都都市整備局は、区部外周部と多摩地域など郊外部で展開する都市づくりの制度や手法の検討を開始した。2040年代の東京の将来像を視野に、「木密地域の解消と宅地などでの緑地の創出」「郊外部の大規模住宅団地での都市機能の再編」など五つの施策テーマを設定し、それぞれ事業の手法や可能性を探りながら、さまざまな取り組みを効果的・効率的に進めていく考えだ。
 本格的な少子高齢・人口減少社会の到来を控え、東京を持続的に発展させていくため、都は長期的で広域的な視点から地域の特性を踏まえた都市づくりを進め、住環境を向上させる方針だ。これを実現させるため、区部外周部に「木密地域の解消と宅地などでの緑の創出」「種地を活用した都市計画公園整備」「都市農地の保全・都市農業の活性化」の三つの施策テーマ、多摩地域に「郊外部の大規模住宅団地での都市機能の再編」「地域の活性化につながる団地建て替え」の二つの施策テーマをそれぞれ設定し、今後の都市づくり方策を検討していく。
 木密解消と緑の創出は、千代田・港・中央の3区を除く20区を対象エリアに位置付け、木密地域の解消につながるまちづくりの取り組みとともに、木密地域以外の住宅地や都営住宅用地、道路・河川敷に緑を創出する施策を検討する。
 都市計画公園の整備では、都営住宅の建て替えに伴う創出用地や、生産緑地制度の時限措置の終了に伴って流動化してしまう農地などを、近接する都市計画公園整備のための種地として活用することを想定。公園区域内の民地と交換するなど土地区画整理事業による公園整備の促進策を考える。
 農地保全・農業活性化については、市街化区域にある農地約4400fを対象に、公有地化による保全や、都市計画道路の整備によって分断される営農農地などの土地区画整理事業による集約化といった施策を検討。シミュレーションも行って事業の効果や採算性を検証し、事業の有効性や実現性も探る。
 老朽化が進んでいる郊外部の大規模住宅団地では、一定程度の都市基盤が整備されている地区をモデルとして、都営住宅の建て替えに伴う創出用地や有休公有地を活用し、現在の土地利用ニーズに合わせて都市機能を再配置するなど、土地区画整理事業による立地適正化のための具体的な取り組みを検討する。
 さらに、UR都市機構の多摩平団地やひばりが丘団地、民間事業者による二子玉川ライズなど郊外部で行われた大規模団地の建て替えを調査・分析し、地域の活性化や集約型地域構造への転換につながるような都営住宅の建て替えの方向性を探る。
 調査業務はランドブレイン(千代田区)が担当し、2016年度末までに成果をまとめる。

提供:建通新聞社