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建通新聞社(東京)
2016/12/16

【東京】首都災害医療C検討委 耐震性、職務住宅など考慮

東京都の首都災害医療センター基本構想検討委員会は、12月14日に開いた第4回会合で論点を整理した。ハード面では、看護学校との一体的な整備など災害時・通常時に必要なスペースの確保や、耐震性やヘリポート、職務住宅などを「整備に当たり考慮すべき事項」としてまとめた。併せて広尾病院の病床規模の妥当性を検討し、役割・特色や採算性を踏まえた最適な病床規模を検討することが必要などと、これからの議論の視点を示した。今後、盛り込むべき機能や特徴などを絞り込み、広尾病院を建て替えるのか、国有地を取得して移転新築するのか最適な手法を基本構想にまとめていく。
 新設する首都災害医療センターについて都は、施設の老朽化や新たな医療ニーズへの対応が求められている広尾病院(渋谷区恵比寿2ノ34ノ10)を、都職員共済組合青山病院跡地(渋谷区神宮前5ノ53ノ3、敷地面積約1・7f)とこどもの城跡地(渋谷区神宮前5ノ53ノ1、敷地面積約1f)に移転することを想定している。
 この都の計画を再検討している検討委では、備えるべき災害医療機能として、ハード面では▽災害時に転用可能なスペースの確保▽緊急車両の円滑な出入り▽除染可能なシャワー設備や陰圧管理された診療室▽看護学校との一体的な整備など災害時・通常に必要となるスペースの効果的・効率的な確保―などに考慮すべきだとした。
 また、施設整備に当たって考慮すべき事項として、▽発災直後からコア機能を止めないための免震構造化▽消防庁のヘリコプターに対応可能なヘリポート▽敷地内や近隣の職員住宅の拡充▽災害時用井戸の確保など想定外の事態への備え―を挙げた。
 ただ、委員からは「幹線道路や首都高速道路の出入り口に面した現在の広尾病院の立地はすばらしい。この立地を生かすべきであり、全ての機能を盛り込む必要はないのではないか」「体育館や宿舎が敷地内にあれば、避難者が増え医療行為に支障がある。本当に必要な機能を絞り込むべき」といった意見も出たため、さらなる検討を重ねる。
 また、広尾病院については、▽医療内容が民間病院と競合する面を踏まえた運営方法▽災害・救急・島しょ医療を提供するために必要な総合診療基盤▽地域医療機関との新たな協力・連携関係の構築―などの検討を加えることとした。

提供:建通新聞社