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北海道建設新聞社
2016/12/26

【北海道】17年度道開発事業費は0.9%増5363億円−予算案が公表 

 国土交通省北海道局は22日、2017年度予算案の北海道開発予算を公表した。一般公共事業費に当たる北海道開発事業費は、国費ベースで前年度当初を46億8000万円、0.9%上回る5363億3400万円を計上。民族共生象徴空間の整備が本格的に始まる国営公園や、空港、農業農村整備が伸びた。国交省が当初予算で初めて設定したゼロ国債は、事業費ベースで233億4700万円が道内分となっている。
 道局は17年度道開発予算案で@人が輝く地域社会の形成A世界に目を向けた産業の振興B強靱(きょうじん)で持続可能な国土の形成の3項目を重点事項に設定した。
 事業別に見ると、道路整備と道路環境整備を合わせた道路は0.4%増で、国交省全体の0.2%増より高い伸び率となった。高規格幹線道路によるネットワーク構築の推進や、道が新設する仮称・苫小牧中央インターチェンジにアクセスする国道276号緑こ線橋の架け換え、3月に貫通した国道5号忍路トンネルの17年度開通に向けた最終整備、道路施設の老朽化対策などに取り組む。
 治水は0.5%増の880億700万円で、国交省全体の0.04%増より伸び率が高い。沙流川総合開発、幾春別川総合開発、サンルダムの直轄ダム3事業に23.3%増の190億6500万円を措置。北海道緊急治水対策プロジェクトも押し上げ要因となった。
 農業農村整備は、4.8%増の733億7600万円。全国は4.1%増で、これも本道が上回った。農地の大区画化や暗渠、農業水利施設の保全・更新などを進める。
 空港は5.3%増の107億4000万円。16年度に着工した新千歳空港の南側誘導路新設や、国際線のエプロン拡張によるスポット容量の拡大など機能強化を図る。
 国営公園等は39%増の15億6500万円と、大きく伸びた。白老町内に整備する民族共生象徴空間で、16年度に初弾工を発注する国立民族共生公園の造成本格化が要因。また、アイヌ施策の推進として、民族共生象徴空間内に整備する慰霊施設のうち、墓所となる施設新築に着工する。
 道や市町村向けの交付金は、社会資本整備総合交付金が0.01%減の353億8000万円、防災・安全交付金が0.3%増の379億6100万円だった。
 この他、国交省は公共工事の施工時期平準化の取り組みを強化し、補正予算で従来措置していたゼロ国債を当初予算で初めて設定した。編成時期が年度によって異なる補正予算に比べ、当初予算で設定することで余裕を持って年度末の発注に取り掛かれるメリットがある。
 全国は事業費ベースで1412億9500万円を措置し、このうち233億4700万円を道内分とした。治水が27億2900万円、道路整備が206億1800万円の内訳。
 16年度のゼロ国債は、3次補正予算案で全国に2984億4000万円を設定している。これまでも3000億円程度を確保していることから、17年度は当初予算に加えて年度途中に補正予算で追加設定するとみられる。