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建通新聞社(東京)
2016/12/27

【東京】都 建築技術革新支援で4件を選定

 東京都財務局建築保全部は2016年度の建築技術革新支援事業として、屋上防水に関する田島ルーフィング(千代田区)の技術2件、特定天井に関する和紙空間(福井県越前市)の技術、太陽電池モジュールに関するパナソニック環境エンジニアリング(港区)の技術を採用することを決めた。都立永山高校改築など3件の設計・工事に採用し、完成後の事業調査で有効性を確認した上で、都の施設整備の基準類などに反映する。
 建築技術革新支援事業は、民間の最先端技術を取り入れて建物の性能を高めるとともに、技術開発を促すことが狙い。15年度にスタートし、16年度は永山高校改築に伴う「屋上防水」2件と、多摩障害者スポーツセンター改修工事での「天井設置」、公文書館改築工事の「太陽電池モジュール」の四つの新技術を公募していた。
 永山高校(多摩市永山5ノ22)は、既存建物の老朽化への対応として体育館やプールを含めた全ての建物を建て替える。コンクリート保護ありと、露出防水(非歩行)の2件の屋上防水技術を公募し、田島ルーフィングの「BANKS工法(コンクリート保護あり)」「断熱接着工法・GI工法(露出防水)」をそれぞれ採用することを決めた。BANKS工法は建築躯体と同様の耐用年数(推定65年以上)で将来の防水改修を必要とせず、GI工法は耐用年数が30年以上と将来の防水改修が少なく済むため、いずれもトータルコストが安価であることなどを評価した。19〜21年度に新築工事を実施する計画だ。
 多摩障害者スポーツセンター(国立市富士見台2ノ1ノ1)では、本館と宿泊棟の老朽化や劣化に対応するため、外壁や屋上防水、内装などを改修するとともに、電気や空調設備を更新して省エネ化。本館にあるプール(25b×5コース)も併せて改修する。プールへの天井設置に当たり、和紙空間の「ネルスーム かる〜い天井 耐水ボード」を採用する。軽量のつり天井で地震動に対する安全性が高く、多湿空間に対する配慮やイニシャルコストが安価なことなどを評価した。18〜19年度に施工する。
 公文書館は、既存施設の老朽化や竹芝地区の都市再生ステップアッププロジェクトでの用地活用に伴い、中央鉄道学園跡地(国分寺市泉町2ノ102ノ9)の一部に移転新築する。反射光や安全性に配慮しながら、年間を通じて優れた発電電力量を確保できる太陽光発電システムを設置するための技術を募った。パナソニック環境エンジニアリングの太陽電池モジュール「VBHN293SJ49」は、これらの効果が期待でき、トータルコストも安価であると評価した。17〜19年度で改築工事を行う。

提供:建通新聞社