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西日本建設新聞社
2017/01/19

【熊本】建設業の対応奏功 南関町の鳥インフルエンザ

 昨年発生した玉名郡南関町の鳥インフルエンザでは、熊本県建設業協会玉名支部(津留克也支部長)・荒尾支部(門田保則支部長)の初動対応が功を奏し終息間近の状況となった。現在も玉名管内9カ所(うち建設業2カ所)での消毒作業が続けられているものの、近く予定されている環境調査の結果で搬出・移動制限区域が解除されれば終息宣言がなされる見通し。
 12月26日に熊本県との防疫協定に基づき、出動要請を受けた玉名支部は、翌27日深夜1時に埋却施設の掘削を開始。検査結果が判明し殺処分がスタートした5時には、農場内に1カ所目の埋却施設を完了させた。その間、協会幹部らは不眠不休で重機やオペレーターの確保に奔走している。
 玉名支部安全安心委員会の久保勝委員長は「日頃から各養鶏場を巡回し、ある程度のシミュレーションはしていたが、初めての経験で分からないことばかり。何より時間との闘いだった」と初動対応の難しさを話す。ただ「防疫作業の知識は、講習会等で把握しており、訓練もしていたことが、迅速な行動につながった」と協会員の備えを評価する。
 埋却施設は、開始から48時間で農場内に全部で4カ所を確保した。同時に消毒ポイントでの作業もあり、現場では混乱を極めた。これらの工程を27日の朝8時には完了。重機オペレーターや消毒ポイント作業員、協会事務所での待機人員などを合わせると、動員数は延べ約600人にも上るという(玉名支部事務局)。荒尾支部は、消毒ポイントでの作業に従事しており、27日には約200人体制で持ち場に就いている。
 「3交代の現場だったので引継が出来ていない場面もあり、指示系統の課題は無視できない。問題があったことはマニュアルなどに盛り込み、今後の対応に活かしたい」と反省点を口にするのは津留玉名支部長。一方、門田荒尾支部長は「27日に協会員を集め状況説明し、情報を共有したことが良かったのでは」と連絡体制の重要性を指摘する。消毒作業は、今月19日まで続く見込みで、まだまだ建設業に安息の日々は訪れない。

提供:西日本建設新聞社
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