トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊建設タイムズ社
2017/01/24

【千葉】今年も学校に草花種子/児童たちが心待ち/千葉市造園緑化協組が千葉市に寄附

 千葉市造園緑化協同組合(吉田等理事長、組合員45社)の幹部一行は23日、千葉市役所に熊谷俊人市長を訪ね、「緑と水辺の基金への寄附」及び「学校への草花種子の寄附」として、目録の贈呈を行った。吉田理事長の「教育環境に役立てて頂きたい」との想いに対し、熊谷市長は「毎年子どもたちが楽しみにしており、情操教育のうえでも大変意義がある」と感謝の言葉を口にした。1984年10月に千葉市が行った「緑と水辺の都市宣言」。その年に創設した「緑と水辺の基金」に対して同組合では、「緑豊かで花のあふれる都市づくりに役立つように」と、創設当初から33年間にわたり寄附を続けている。今回を含めた寄附金の累計総額は1017万円。一方、学校への草花種子のそれは、同組合が設立した83年から始め、同じく1895万円相当。また、2011年には財政調整基金に50万円、昨年12月及び本年1月には、千葉市動物公園に門松6基(3対、30万円相当)を寄附しており、それらを含めた総額は2992万円に達した。

 ◆寄附金総額一千万円超える

 この日、千葉市役所を訪れたのは、吉田理事長をはじめ副理事長の佐藤和広氏、理事の横山洋人氏(総務委員長)、蓬田浩一氏(防犯・防災隊長)、神鳥信也氏(事業委員長)、小倉拓洋氏(技術委員長)、石田誠氏(環境活動委員長)、伊藤高広氏(防犯・防災副隊長兼環境活動副委員長)、事務局長の寺島孝氏、同組合顧問で千葉市議会議長の向後保雄氏の10人。一方の千葉市側は、熊谷市長をはじめ都市局公園緑地部の山下光男部長、同じく竹本和義・緑政課長、教育委員会学校教育部指導課の中嶋のり子・統括指導主事が応対した。

 ◆30年以上継続中

 千葉市造園緑化協同組合は、千葉市内の造園工事業を行う事業者で構成。「組合員相互の技術研鑽と緑化行政への貢献」を目的に1983年4月に設立し、一昨々年に「創立30周年」を迎えた。同組合による今回の千葉市への寄附金額は、「緑と水辺の基金」が20万円、「学校への草花種子」が50万円相当(8種類×1200袋=9600袋)。8種類の草花種子の品名は、「サルビア」「パンジー」「コスモス」「百日草」「マリーゴールド」「矢車草」「金盞花」「ポピー」。これまでに寄贈種子の累計は45万2000袋にのぼる。これらに加えて2000年から05年までの6年間は、毎年30校(05年は28校)に対して、各1万円相当の園芸用品を寄贈した。

 ◆緑に対する気持ち/情操教育で芽生え

 目録贈呈後の歓談では、これまでの草花種子の寄附による子どもたちの反応や成長への影響についてをはじめ、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての「千葉市の自然の魅力」を中心とした談義が行われた。

 熊谷市長 毎年頂戴し、市内の緑と水辺の充実はもとより、子どもたちが本当に楽しみにしている。子どもたちの情操教育と「緑に触れる機会」という大変重要な役割を果たして頂いている。市を挙げて感謝申し上げたい。
 先日行われた新成人座談会の席で、「このまちの魅力は」という投げかけに対して、新成人の方の多くが「緑と水辺が豊かであるところ」と答えていた。それは今年に限ってのことではない。若い人たちにとっては「誇り」に繋がっていると思う。これまで公園整備や学校への草花種子の寄附を続けてきた貴組合の成果が、若者の気持ちに表れている気がする。
 吉田理事長 一昨年、市長から声をかけて頂き、多くの学校から頂いたお礼の手紙や写真を実際に見ると、思っていたよりも子どもたちが楽しみにして、種を植えて大事に育ててくれていることがよく分かる。今まで以上に我々も喜びを実感している。
 熊谷市長 我々は「組合員のみなさんに活かされている」ということをお伝えしたい。
 佐藤副理事長 市長の発案で子どもたちから手紙が届くようになり、毎年、通常総会の会場に掲示している。それを見ながら組合員一同は、いつも感動している。ちょっとした一言の気配りに発展していくことは素晴らしいと思う。
 熊谷市長 特に学校現場の全校に影響を与えるかたちで、これだけ長きにわたり継続して寄附を頂いているケースは数少ない。これらが市役所全体にわたって意識の中に浸透すれば、日本にもっと寄附社会が根付いてくると思う。私たちは寄附の行為に対して、もっと積極的にアプローチしていくべきであり、千葉市の内陸部の緑豊かな素晴らしい環境に、もっとスポットライトを当てるべきだと考えている。

 ◆緑の活かしたまちをアイデンティティに

 佐藤副理事長 川の上流に行くと、千葉市の自然環境の良さがよく分かる。
 熊谷市長 泉自然公園もこれから再整備を行うことになるが、まだまだ潜在力があると感じている。自然だけではない何かであったり、一方では広報不足も否めない。半日、一日楽しめるような空間づくりを行わなければと思う。「緑を活かしたまちづくり」を千葉市のアイデンティティとして、これからも進めていきたい。今後は見えるかたちで出てくることにより、千葉市のイメージも少しずつ変わってくると思う。
 向後顧問 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けての街路樹整備などに、いつ頃着手すればよいのかということも議論しなければいけない。

 ◆東京とは違う魅力に自然環境が大きな柱

 熊谷市長 オリンピックの良いところは、東京と違う魅力に向き合うところだと思う。遠くを意識すればするほど、自分たちの東京にはない魅力をしっかり考えなければいけない。その中で自然環境は、当然ながら大きな柱になる。その辺も県内全市的に共有していくべきだと思う。自然の魅力を活かすという立ち位置にシフトすることだろう。k_times_comをフォローしましょう
times