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建通新聞社(東京)
2017/01/24

【東京】都 調節池と下水を接続へ手法検討開始

 東京都下水道局は、河川と下水道の連携による新たな治水対策として、広域調節池と下水道幹線を直接接続する方法やその効果の検討を開始する。練馬区中村地区を候補地区に、時間雨量75_に対応する下水道管の整備手法を考えた上で、75_対策の幹線などを、環状七号線地下広域調節池に直接つなげる方法を検討するとともに、超過降雨があった場合の効果を検証し、事業化につなげる。
 都は多発する局地的な集中豪雨に備えるため、2014年度に改訂した豪雨対策基本方針の中で、治水対策の目標値を区部で時間雨量75_、多摩部で65_に設定。この目標を達成するため、神田川環状七号線地下調節池と建設中の白子川地下調節池を連結する、新たな環状七号線地下広域調節池をはじめとした調節池・分水路などの整備を進める方針を打ち出している。下水道についても、目黒区上目黒・世田谷区弦巻など4地区で75_対策の新たな幹線を整備する他、港区白金・品川区上大崎など6地区で50_対策を拡充する事業に着手している。
 これらの取り組みの一環として、内水被害をさらに軽減させるため、広域調節池と下水道幹線の直接接続による、河川と下水道の新たな連携策を検討する。
 練馬区中村地区をモデルに、まず、既設の下水道管に1時間当たり50_と75_の降雨があった場合のシミュレーションを行って、現状の雨水処理の能力を確認。次に「既設の暫定貯留管を流下管に変更するケース」「75_対策の幹線を追加するケース」「75_対策の主要枝線などを追加するケース」について検討する。
 その上で、75_対策の整備を実施した前提の下、広域地下調節池への接続場所や方法を考える。河川への下水の放流が規制されている状況の中で、調節池に下水道幹線を直接接続したケースとしないケースを検証し、その効果を確認する。「河川と下水道の連携した新たな治水対策検討調査」として希望制指名競争入札を経て業務を委託し、年度内に成果を得る。
 環状七号線地下広域調節池は、白子川と神田川・環状七号線の二つの地下調節池を連結する格好で、中野区野方5丁目〜練馬区高松3丁目間の延長約5`に内径12・5bのシールドトンネルを構築する。2017年第1回都議会定例会での請負契約の承認を得て着工する。

提供:建通新聞社