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建通新聞社四国
2017/01/31

【高知】要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果公表

 高知県と高知市は20日、「要緊急安全確認大規模建築物」の耐震診断結果について公表した。耐震性不足としたのは、公共が枝川小学校校舎の一部(いの町)、伊野小学校校舎(いの町)、宿毛小学校校舎(宿毛市)、山田小学校校舎の一部(香美市)、鏡野中学校校舎の一部(香美市)。民間が愛宕病院病棟の一部、三翠園、だいいちリハビリテーション病院、コンフォートホテル(以上高知市)、岡豊病院(南国市)、芸西病院病棟の一部(芸西村)。いずれの施設も今後、耐震改修か建て替える意向を示している。
 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、1981年5月以前の旧耐震基準で建築した不特定多数の人または避難弱者が利用する大規模建築物の所有者は、自ら耐震診断を実施し、その結果を2015年末までに所管行政庁(高知市の建築物は高知市長、それ以外の地域は知事)に報告しなければならない。報告を受けた所管行政庁はその内容を公表することとされているため、今回診断結果が公表された。
 不特定多数の人または避難弱者が利用する大規模建築物は、小中学校などは階数2以上かつ延べ面積3000平方b以上、体育館は階数1以上かつ延べ面積5000平方b以上、病院、劇場、百貨店、ホテル・旅館、庁舎などは階数3以上延べ面積5000平方b以上、幼稚園・保育所は階数2以上延べ面積1500平方b以上−などと定められている。このうち旧耐震基準で建てられた施設は県内全域で公共47、民間14の計61施設を対象に、診断結果に基づき安全性区分を3段階で評価した。震度6強以上の大規模地震に対する安全性を示したもので、倒壊または崩壊する危険性が高い建物を安全性区分T、倒壊または崩壊する危険性がある建物を安全性区分Uとし、これらの建物を耐震性不足とした。
 安全性区分Tと診断された施設は、枝川小学校校舎の一部、伊野小学校校舎、岡豊病院、愛宕病院3病棟と5病棟の一部、三翠園の5施設。このうち伊野小学校校舎は、現在建て替え工事が進められており、今年7月に完成する予定。同じいの町の枝川小学校校舎は18年7〜9月に耐震改修を進める。岡豊病院は耐震改修か建て替えを17年度か18年度に行う予定。愛宕病院の3号棟と5号棟は建て替える方針で、20年度をめどに時期を検討中。三翠園はすでに耐震改修設計が完了しており、17年度から順次耐震改修を進める。
 安全性区分Uと診断された施設は、宿毛小学校校舎、山田小学校校舎の一部、鏡野中学校校舎の一部、芸西病院病棟の一部、だいいちリハビリテーション病院、コンフォートホテルの6施設。このうち、コンフォートホテルは建て替えることが決定しており、すでに営業を終了している。山田小学校と鏡野中学校は配膳室が対象で、すでに耐震改修設計が完了、17年度に工事を行う。芸西病院は18年度、だいいちリハビリテーション病院は19年度をめどに耐震改修を検討中。宿毛小学校は建て替える方針だが、時期については協議・検討中。

提供:建通新聞社