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日本工業経済新聞社(群馬)
2017/02/02

【群馬】県道路整備部がコンクリート構造物の品質確保に向けガイドライン作成

県建設企画課は、コンクリート構造物の品質確保に向けたガイドライン策定について、2017年度中の完了を目指して作業を進めている。県は、15年度からコンクリート構造物の施工時に施工内容を把握するチェックシートの活用やコンクリート打設時における気温などの記録を求める工事を試行。施工記録のデータベースを作成し、ガイドラインの策定時に活用する。17年度は試行を続けるとともに、効果を検証しながら策定を進める。
県は14年度に産学官が連携した品質確保ワーキンググループを設置し、具体的な施策の検討を進めてきた。
15〜16年度にかけて、チェックシートと施工記録の作成を試行。15年度は23件、16年度は62件の計85件で行っている。対象となった工種は、ボックスカルバートと橋梁の上部、下部工、擁壁工、シェッド下部工、トンネル覆工となっている。これ以外の現場でも、チェックシートのみの試行も行われている。
試行で使用しているチェックシートでは◇準備の段階から運搬◇打込み◇締固め◇養生−の5段階ごとに項目を設け、それぞれの段階ごとに確認するべき手順を設定。
また、コンクリートの施工記録では、気温やリフト高、作業時間などを打ち込みリフトごとに作成している。
17年度は試行を続けるとともに、これまでの取り組みを基にして従来の施工現場と、試行した現場を比較。効果を確認し、コンクリート構造物の品質確保のためのガイドラインを策定する。ガイドラインの対象となる現場については、策定時に詳細を詰める。
効果確認にあたっては、専門的な見地からの検証を行うために業務委託を予定しているほか、品質確保ワーキンググループ内で現場の意見も取り入れる。
17年度の試行現場数は未定としているが、なるべく多くの現場で実施したい考え。
このほかにも、15〜16年度にかけて技術担当職員を対象とした研修や土木事務所ごとに県職員と施工者の合同による研修会などを実施し、品質確保のための取り組みが行われている。
コンクリート構造物の品質確保に関する検討は、強度や出来形だけでなく、耐久性を確保するために開始。長寿命化や維持管理費の削減にも効果が期待される。