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北陸工業新聞社
2017/02/16

【新潟】一般会計は1兆2548億円/県が新年度当初予算案発表/普通建設1790億、県単に179億

 米山隆一新潟県知事は15日、定例記者会見を開き、一般会計に前年度比4・1%減(540億円)の1兆2548億円を盛り込む17年度当初予算案を発表した。米山知事は「県民一人ひとりの幸福を可能な限り増やし、命と暮らしを守り、現在と未来への責任を果たす。地方の再生と人口減少問題に対応するため、本県の暮らしやすさの総合力を高め、魅力ある新潟県を実現する施策を推進していく」との考えを示し、安全や教育、雇用、住民参加など6つの責任を強調した。投資事業のポイントとしては「生活密着型のきめ細かな公共事業をはじめ、県民の安全・安心を確保するための防災・減災対策や老朽化対策のほか、本県の拠点性の向上に資する道路整備等に取り組む」と説明。また、市町村長と定期的な意見交換の場を設定するなど連携協力を強化するほか、県の施策の方向性を示す最上位の行政計画として、新・総合計画(仮称)を年内に取りまとめるとした。

 初めてとなる当初予算編成に臨んだ、米山知事は「額よりもいかに執行するかが重要。来年度の税収は厳しめに見込んでいる。県民の皆さんが思っていることを実行し、公約通り現在と未来への責任を果たす」と力を込めるとともに、徹底した情報公開と対話型県政を推進する考えを改めて強調した。人口問題対策では「人口減に歯止めをかけるため、出生数の増加や人口の流入促進・流出抑制に有効な施策をできる限り講じ、総合的に魅力ある地とするため、県政のあらゆる分野での取組みを総動員して、新潟県の総合力を高めていく」と語った。市町村との連携に関しては「福祉系は各市町村が予算確保に苦労している。一定の支援をしつつ統一感を作っていきたい」とし、各政党からの要望に対しては「党は関係なく、必要なものは必要。議会では忌たんない意見をいただきたい」と話した。
 投資的経費(人件費を含む)には、前年度比0・5%減の総額1893億7400万円を計上した。普通建設事業をみると、同0・6%減の1789億1500万円。このうち、道路橋りょうに446億100万円を盛り込んだほか、河川・海岸・ダム・砂防が333億1500万円、農業基盤が330億7400万円、港湾・空港が90億2900万円、治山・林道・造林に103億9800万円、教育が90億7200万円、街路・都市公園・住宅に71億5300万円、漁業等農林水産施設に74億700万円など。事業費の内訳は補助が909億5700円(前年度比)、県単が179億100万円(同3・6%増)となった。一方、特別会計では流域下水道事業に前年度比2・4%減の130億9483万9000円(公共57億6583万8000円、県単4405万6000円)、港湾整備事業は同45・2%増の36億1255万7000円(整備費15億5700万円、管理費4億6924万4000円)などを盛った。また、災害関連事業(前年度比増減なし、70億7700万円)では水害等再度災害防止対策として、床上浸水対策に16億900万円(同57・0%減)、河川災害復旧助成には5000万円(同増減なし)を充てる。単独事業は417億4800万円(同12・0%減)で、公共土木施設は146億1800万円(同6・0%増)で、維持補修系に89億900万円(同6・2%増)、建設系に57億900万円(同5・8%増)を計上した。
 防災・減災対策として610億円(水害の防止や被害軽減、土石流や地すべりなど土砂災害防止対策等)、老朽化対策には223億円(公共土木施設や農業水利施設等)を投じるほか、医療・介護・福祉・教育施設のハード整備に236億円(高校・特別支援学校の大規模・耐震改修、少年自然の家の建設等)、拠点性の向上に資するインフラ整備の推進には211億円(高速道路等のインターチェンジや産業団地等へのアクセス向上、日本海沿岸東北自動車道の整備促進・直轄事業負担金等)を盛る。また、事業の重点化では費用対効果および優先度を踏まえた事業採択、スクラップアンドビルドによる事業の見直し等で11億円の削減を図っていく。
 そのほか、総事業費が概ね10億円以上の主な大規模施設としては、新潟商業高校に10億800万円(13−19年度)を計上するとともに、新潟東区警察署(仮称)に2億400万円(14−17年度)、佐渡警察署(仮称)に2億7800万円(16−19年度)、少年自然の家に21億7500万円(16−18年度)、十日町病院に15億1500万円(13−19年度)、加茂病院に43億6400万円(14−18年度)などを盛った(カッコ内は実施設計から竣工予定の期間)。
 主要事業は次の通り((新)は新規)。
【安全への責任】
〈原子力発電所への対応〉
▽(新)3つの検証を総括する委員会の設置 359万8000円
▽(新)原発事故による健康への影響の検証 925万6000円
▽(新)原発事故による生活への影響調査 1386万8000円
▽安全な避難方法の検証 874万1000円
▽監視施設設備等整備費 4億3853万4000円
▽柏崎刈羽原子力防災センター維持管理費 1億1881万2000円
〈災害に強い地域づくりと災害からの復興〉
▽耐震すまいづくり支援事業 5359万6000円
▽土砂災害・火山噴火緊急事業費 3億4443万1000円
▽県立高等学校の大規模・耐震改修の促進 33億6654万8000円
▽広域河川改修費 76億3026万4000円
▽震災対策農業水利施設点検・調査計画事業 5億円
▽災害時相互連携・情報共有等強化システム 1億4423万円
▽危機管理センター改修・増強費 9361万6000円
▽公共土木施設等の復旧等 18億円
〈安全で安心な暮らしの確保〉
▽(新)妙高警察署建築費(用地取得、基本設計) 8869万3000円
▽佐渡警察署(仮称)等建築費 2億7822万9000円
▽東区警察署(仮称)建築費 2億549万7000円
▽社会資本維持管理計画推進費 5000万円
〈豊かな環境の保全と未来への継承〉
▽(新)地域再生可能エネルギー面的活用促進事業 530万円
▽(新)海洋エネルギー実証フィールド活用促進事業 400万円
▽(新)新エネルギー産業参入・育成促進事業 3030万円
▽(新)燃料電池自動車・水素供給設備普及促進事業 850万円
▽家庭用地中熱設備導入支援事業 1050万円
▽家庭用太陽光発電導入促進事業 2260万円
【命と暮らしへの責任】
〈安心して子どもを産み育てられる環境の実現〉
▽(新)分娩取扱施設整備事業 2629万1000円
▽病児保育施設整備 7511万1000円
〈地域医療の充実・確保〉
▽ドクターヘリ運航事業 5億184万9000円
▽県央基幹病院建設事業(実施設計) 1億7140万2000円
▽加茂病院改築事業 43億6365万5000円
▽十日町病院改築事業 15億1513万2000円
▽(新)クラウド型電子カルテシステムの整備 債務負担行為設定
▽(新)看護職員養成施設設置準備費 2411万5000円
〈安心して暮らせる介護・福祉の実現〉
▽高齢者・障害者向け安心住まいる整備補助事業 3300万円
▽高齢者福祉施設整備事業 7億5816万円
▽在宅医療推進センター整備事業 9925万2000円
▽(新)特別支援学校老朽校舎全面改築費(新潟盲・聾学校統合) 6521万5000円(基本設計等)
【教育への責任】
〈将来の夢や希望を叶える教育の推進〉
▽私学振興補助金 82億1226万9000円
▽私立高等学校施設整備費補助金 1億1458万5000円
▽県立少年自然の家建設費 21億7521万5000円
【雇用への責任】
〈地域産業の振興と起業の促進〉
▽建設産業の振興
・建設産業活性化の推進 2518万6000円
・新技術活用・普及促進費 1791万2000円
・建設産業マンパワーアップ総合支援事業 2251万2000円
〈自然エネルギーの活用と成長産業の育成〉
▽メタンハイドレート資源開発促進事業 500万円
▽水力発電所の大規模改修 19億3902万1000円
〈住みやすいふるさとづくりと暮らしやすさの魅力発信〉
▽克雪すまいづくりの推進 7416万2000円
▽美しいまちづくり推進事業 933万円
▽(新)景観・歴史まちづくり推進事業費 2000万円
〈本県のさらなる拠点性向上と県内交通網の充実〉
▽(新)新潟空港アクセス改善検討事業 812万円
▽(新)新潟開港150周年記念事業負担金 1500万円
▽新幹線活用地域活性化事業 450万円
▽日本海沿岸東北自動車道の整備促進(直轄事業負担金) 32億8350万円
▽地域高規格道路整備計画調査費 5100万円
▽(新)ほくほく線鉄道安全輸送設備等整備事業 4163万6000円
【食と農を守る責任】
〈暮らせる農林水産業の実現〉
▽震災対策農業水利施設点検・調査計画事業 5億円
▽基幹水利施設ストックマネジメント事業 21億6716万5000円
〈稼げる農林水産業の実現〉
▽新潟の新しい米「新之助」ブランド化推進事業 2億4000万円
▽ふるさと越後の家づくり事業 2億3000万円
▽(新)林業成長産業化地域創出モデル事業 1000万円
▽木材新技術フロンティア促進事業 109万3000円
▽水産物流通拠点化事業 1億5700万円

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