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建通新聞社(神奈川)
2017/02/28

【神奈川】三浦市 公共下水にコンセッション方式を検討 有識者会議が発足、実施方針・要求水準書の内容検討

  三浦市は学識者で構成する「三浦市公共下水道事業における民間資金等活用検討審議会」を設置し、2月17日に初会合を開いた。現時点のスケジュールによると、今後は、下水道事業への公共施設等運営権方式(コンセッション方式)の導入に向けて実施方針、要求水準書の内容検討を進め、5月〜8月にかけて特定事業を選定。8月には実施方針を公表するとともに事業者の募集公告を行う。2018年3月〜4月に提案書類を受け付け、5月に優先交渉権者を決定する。事業開始は19年4月を想定している。
 審議会への諮問に当たり、三浦市の吉田英男市長は「人口減少が続いて財政状況も厳しい状況にある。(コンセッション方式が)小さな自治体でも行え、利益ができるようであれば具体的に進めたい」と話した。
 三浦市の下水道事業は単独処理区の分流式で事業計画区域面積235f(全体計画面積370f)。処理区域内人口は1万5417人、人口普及率33・7%。
 三浦市では近年、人口減少が進んでいて、16年7月1日現在の人口は4万4833人。人口推計によると、30年度には3万8598人、45年度には3万1197人に減る見込み。これに伴い下水道事業での調定件数および汚水量の低下により下水道使用料収入は今後漸減少していくとみられる。他方、三浦市では15年度に料金改定を行い下水道使用料を16%値上げしているが、公共下水道事業特別会計の15年度決算では、歳入の60・4%が一般会計繰入金。一般会計の財政推計も18年度から赤字となるおそれがある。
 このため下水道事業にコンセッション方式を導入することにより、▽アセットマネジメントを通した長寿命化計画の実施(効率的な更新と長寿命化対策)▽経営改善と民間資金の活用▽民間との需要リスクの共有▽民間活力の活用と組織の効率化―を図る考え。
 具体的な取り組みとしては@調達コストの削減(市況価格を把握しての価格交渉)A工事の発注方式を工夫(異なる工事の一括発注、工期の平準化、工事閑散期の発注など)B業務・作業工程の見直しC組織・人員の見直しD長寿命化の実施―などを期待している。
 15年度に実施した導入可能性調査では民間企業から積極的な関心が得られたという。
 提供:建通新聞社