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建通新聞社(神奈川)
2017/03/09

【神奈川】国土交通省・神奈川県 相模川・中津川河川整備計画策定へ本格検討 有識者会議を設置

  国土交通省(京浜河川事務所)と神奈川県は、相模川・中津川河川整備計画の策定に向けてた本格的な検討を開始する。有識者会議を設置し、13日に第1回を開催。ここでの意見を参考に、整備計画の素案策定に着手する予定だ。
 相模川は、富士山を源とし、山梨県の東部を東に流れて神奈川県に入る。相模ダム、城山ダムを経て流路を南に転じ、神奈川県中央部を流下。中津川などの支川を合わせて相模湾に注ぐ。幹川流路延長113`、流域面積1680平方`の一級河川。流域は、山梨県、神奈川県の2県14市4町6村にまたがり下流部の厚木市などの市街化された地域に人口が集中している。
 このうち神奈川県内では、神川橋(平塚市〜寒川町)から上流約49`が県の管理区間で、下流約6・6`が国の管理区間。
 中津川は相模川の支川で、上流の宮ケ瀬ダムに関連するため、今回の会議の対象とする。

※現状と課題を示す

 相模川水系では、2007年に「相模川水系河川整備基本方針」が策定された。国と県は、この基本方針を基に行政間の連絡・調整(相模川川づくり行政連絡会)、地域の意見徴集(相模川ふれあい懇談会)などに努め、今回の有識者会議設置に至った。
 有識者会議の委員は、▽秋山幸也相模原市立博物館学芸員▽淺枝隆埼玉大学大学院教授▽鎌田素之関東学院大学理工学部准教授▽鈴木伸治横浜市立大学国際総合科学部教授▽利波之徳神奈川県水産技術センター内水面試験場場長▽中村好男東京農業大学地域環境科学部教授▽山坂昌成国士舘大学理工学部教授。
 会議では、河川の現状と課題を示し、有識者の意見を聞く。この意見を参考に整備計画の素案を策定。これを流域関係住民に示し意見を聴取。整備計画の原案策定へと進む。原案を基に関係省庁などとの協議を行い、河川整備計画の決定となる。

※20〜30年後を想定

 河川整備計画は、20〜30年後の河川整備計画の目標を明確にし、個別事業を含む具体的な河川の整備内容を明らかにするもの。
 基本方針では、「水源から河口域まで一貫した計画に基づき、段階的な整備を進めるにあたっての目標を明確にして、河川の総合的な保全と利用を図る」としている。
 「災害の発生の防止または軽減」では、堤防の新設、拡築、河道掘削・河道拡幅、橋梁・堰などの改築、堤防強化などで、計画規模の洪水を安全に流下させる。洪水調節施設や高潮堤防の整備の必要性も示している。
 「河川の適正な利用および流水の正常な機能の維持」では、ダムの連携、情報伝達体制の整備の必要性を示す。
 「河川環境の整備と保全」では、河川環境の再生と自然景観の保全、多様なレクリエーションの場の提供などを目指す。
 計画高水流量は、洪水調節施設により洪水調節し、磯部地点において6400立方b/sとし、さらに中津川の合流量と残流域からの流入量を合わせて、厚木地点において7300立方b/sとする。その下流では支川と残流域からの流入量を合わせ、河口地点において7800立方b/sとする。
 提供:建通新聞社