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日本工業経済新聞社(山梨)
2017/03/09

【山梨】県 やまびこ支援学校、桂台が適地

 県議会の教育厚生委員会(遠藤浩委員長)は7日、教育委員会が所管する2017年度当初予算案について審議した。大月市猿橋町の桂台地区に新築移転する計画のやまびこ支援学校の設計費などを含む一般会計当初予算案に「原案に賛成すべき」とした。
 ただし、大月市議会が建設地の再考を求めているとし、「(移設に関しては)引き続き住民と調整を図る必要がある」と、14日の予算特別委員会へ報告することになった。
 各委員からは、桂台を建設候補地として決めた経緯を求める質問が多く出たが、計画変更を求める意見はなかった。
 同支援学校の計画地について、新しい学校づくり推進室の鈴木昌樹室長は、桂台と他の大月市内の小中学校跡地を比較して説明した。
  桂台については、「学校に必要なそれらの条件を満たしているので適地である」と判断したと続け、桂台に整備する場合は「エレベーター管理費や土地の造成費が必要になるが、土地はJR東日本と清水建設から寄付を受ける方向で現在協議を行っている」と話した。
 それに比べ小中学校は跡地の購入や校舎改築が必要になるので、双方を比較すると、「概算ではあるが、桂台の方が県の財政負担は少ない」と説明。「(小中学校跡地)は敷地一部が土砂警戒災害区域に指定されていたり、校舎が平屋のため面積が確保できない、公共交通機関の利便性が低い場所にある、大月市立病院まで距離がある」などの課題を挙げた。
 仮に桂台に整備した場合の大月市負担について県は、移転場所周辺に市道や公園があるため、道路の付け替えが必要になったら、改めて大月市と協議する。
 17年度予算案には、同支援学校建設事業費として用地測量・地質調査・基本および実施設計に6773万4000円を計上している。
 そのほか委員からは、新規事業の「甲府工業高等学校専攻科棟建設事業(用地測量・地質調査・基本および実施設計)」(3585万5000円)への質問も相次いだ。
 県産業の持続的な発展を支える人材を育成するため、専攻科棟を整備する甲府工業高校について、土橋亨委員(リベラルやまなし)は、テニスコートなどの跡地に専攻科棟を建てる予定のようだが、生徒が集まらずに定員割れになったら困る」と指摘。
 県には、甲州市にある産業技術短期大学(塩山キャンパス)や都留市にある分校(都留キャンパス)もある。知事が高専を造る計画がとん挫し、コンパクトになって専攻科を造ると思われるが、「かなり特色を持った学校にしなければ人が集まらないのでは」と投げ掛けた。
 鈴木室長は、「専攻科は、工業系の高校を卒業した者が5年間の一環とした専門教育を行う。現在、具体的なカリキュラムや特色など体制作業づくりを進めている」と現況を答えた。
 なお、教育委員会関係の一般会計予算は、838億2679万8000円。