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建通新聞社(中部)
2017/03/13

【岐阜】大垣市の2017年度事業展望 小川敏市長に聞く

 『日本一住みやすいまち大垣』の実現を目指し、新庁舎や幼保園の建設、公園や広場の整備、子育て支援やサービスの拡充などのさまざまな重点事業を積極的に進める大垣市の小川敏市長に2017年度事業を中心に話を聞いた。(聞き手は岐阜支局=高木敏之)大垣市 小川敏市長
 ――17年度の予算編成と重点施策について伺いたい。
 「17年度が最終年度となる大垣駅南街区市街地再開発事業やごみ焼却施設の長寿命化事業などの大規模事業の他、男女共同参画センターの設置や三城幼保園の建設など国の16年度補正予算を活用して取り組む予算編成とした。一般会計当初予算案は前年度当初に比べ2・1%減の576億5000万円となった」
 「第五次総合計画後期基本計画の総仕上げの年度として、『地域活力創造』『安全・安心』『環境・エネルギー』『子育て日本一』『かがやきライフ』の5分野の充実と地方創生事業の推進を図る予算配分に努める。また、新庁舎建設事業の本体工事に着手するなど18年に市制100周年を迎える礎となる『楽しく!未来創造』予算とした」
 ――重点事業について伺いたい。新庁舎の建設はどうか。
 「本年度、実施設計を行い、新庁舎の規模が鉄骨造8階建て塔屋1階延べ2万0806平方bとなった。安心できるまちづくりの防災拠点として、免震構造を採用しあらゆる災害時においても機能を維持し続けられる市庁舎とする。工事費は液状化対策や地下水対策を含め104億円で、外構や現本庁舎の解体工事費を含め約121億円を見込む。17年度に現本庁舎の一部を解体後に本体工事に着手、19年度に新庁舎の竣工、21年度に外構を含む全体の工事完成を目指す」大垣市・新庁舎イメージ図
 ――その他の事業について伺いたい。
 「1970年に建設した三城保育園と74年に建設した小野幼稚園を統合し三城幼保園を建設する。受け入れ人数は210人を予定し、0歳児保育室や太陽光発電設備を設置、LEDライトを採用する。事業費は用地購入費2億3500万円を含み11億9010万円を見込む。19年4月の開園を目指す」
 「大垣駅南街区市街地再開発事業では、16年度に大型施設『スイトスクエア大垣』が完成。この事業で生み出された公共空地を利用して市民や来訪者に憩いと潤いの場を提供する大垣駅南街区広場を整備する。計画面積約1142平方bの広場には自噴井戸、親水池、ベンチ2カ所を設置する。親水池中央には亀の池オブジェを移設し、小さい噴水が数カ所あるじゃぶじゃぶ池も配置するなど子どもが楽しめる場所とする。事業費1億7600万円を投じ、18年3月完成を目指す」
 「下水道事業では、釜笛、荒川町などの汚水管渠拡張整備4・6`や室本町、藤江町などの管渠長寿命化工事1・6`などを行う。終末処理場整備として17年度から2カ年継続で汚泥脱水機と低段沈砂池設備を更新する。また、消化工程から発生したメタンガスを利用した発電を6月ごろから始める。得た電力は売電し、その利益を浄化センターの維持管理費に充当する。17年度は約7300万円、18年度以降は約9600万円の収入を見込んでいる」
 「大垣消防組合の事業である赤坂分署建設については、16年度に実施設計を行った。17年度に本体工事に着手し18年度の完成、業務を始める予定だ」
 「子育て日本一を目指して、16年にオープンしたキッズピアおおがきの利用者に駐車場、駐輪場の回数券を配布する他、親子バス利用者の対象を小学校2年生以下まで拡大する」
 「女性の自立と男女のあらゆる分野への参画を推進する男女共同参画社会の実現のため『大垣市男女共同参画センター』(仮称)を大垣市スイトピアセンター学習館1階に設置する。研修室や相談室、授乳室などを設け、男女共同参画の取り組みを支援する活動拠点とするとともに、結婚から子育て、子どもの成長に伴うライフステージの変化に対しても総合的な支援を行う。10月上旬に開設する予定だ」
 「市制100周年を迎える18年に市民総参加で次代へつなげるさまざまな記念事業を展開するため、17年度に『ロボットフェスティバル大垣』(11月4、5日)の開催や、理想の都市像を紹介するアニメーション映像の制作などを行い、祝賀ムードを高めていく」
 ――道路、橋梁などの整備について伺いたい。
 「道路拡幅として野口5号線他2路線、小中学校の通学路の安全確保を目的とした歩道整備と道路拡幅として中之江東1号線他6路線、舗装補修として昼飯荒尾1号線他10路線、まちなか道路再生事業として宮丸の内1号線他2路線など社会資本整備総合交付金を活用して整備を順次進めていく。その他、河間中川1号線他9路線で舗装の劣化状況を調査する。
 橋梁については、江西橋他4橋の長寿命化修繕、耐震補強工事を実施する。国指定の重要文化財の旧揖斐川橋については、塗装塗り替えと修復工事を17年度も継続する」
 ――建設業界に対するメッセージを。
 「大垣市では、岐阜県西濃建設業協会と『大垣市の災害応援協力に関する協定』を締結し、災害に強い安全なまちづくりに協力していただいている」
「幸いなことに、12年発生した上石津町時山地内の土砂災害における土砂撤去作業を実施していただいて以来、支援活動を要請するような災害は発生していない。しかし、毎年4月に揖斐川右岸や藤古川から牧田川左岸を対象に『西濃地域河川クリーン作戦』を主催していただいている他、10月には、市内のNPO団体が実施する『水門川クリーン作戦』へ協力していただくなど、地域の環境美化活動の推進にもご尽力いただいており、今後もさまざまな面での協力を引き続きお願いしたい」

提供:建通新聞社(2017/03/13)