トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2017/03/23

【京都】河川整備計画追加の四宮川 改修に向け工法検討で調査

 京都府は、宇治川圏域河川整備計画に追加した四宮川について、河川改修に向け工法検討などの調査に入る。
 25年の台風18号の溢水被害を踏まえた対応として、河川整備計画に四宮川ととともに安祥寺川を追加した。府市協調の取り組みで山科区内の河川改修を役割分担で実施する。京都府が四宮川、京都市が安祥寺川の改修を進める。
 河川整備計画によると、四宮川は河床掘削し河道断面を拡大する計画。現河川幅と概ね同じ約4m〜6mでの改修を基本とする。四宮川の改修に合わせ、山科川の流下能力不足区間の断面拡大も行う。縦断形状は下流の山科川との整合を図る。横断形状は、ほぼ全川にわたり家屋が連坦しており河道拡幅が難しいため、矢板構造による護岸とし、河床を切り下げて河道を拡大する。矢板護岸は化粧パネル等で矢板が露出しないようにし、河川用地の余地を活用して親水空間を創出する方針。
 計画対象区間は山科川への合流点から一級河川起点まで延長約2000m(JR東海道本線との並行区間除く)と山科川の四宮川合流点から下流約300mの計2300m。1/10対応時の整備方法は河道を掘り下げて断面を拡大する。
 京都土木事務所は、四宮川の河川改修に係る最適護岸形式とそれに伴う工法を選定するための調査検討に入る。3月21日付で関連業務を委託するため指名競争で通知した。3月30日に開札し担当業者を決める。
 業務内容によると、現地踏査で現況施設の状況、河川状況、近接構造物等を把握する。あわせて工事用道路、仮排水路、施工ヤード等の施工の観点から現地状況を把握し、整理する。
 四宮川では河床掘削により河川断面を広げ流下能力の向上を図ることとしており、@鋼矢板護岸三面張りA鋼矢板護岸二面張りB仮設土留+コンクリートフリュームCオープンシールド+コンクリートフリュームの4工法を含め検討する。
 比較案で法線等の見直し検討、護岸の配置計画、構造物との取付検討を行い、最適護岸決定を行う。決定した護岸で標準断面による土質条件などを基に構造計算を行う。施工計画案をとりまとめる。
 設計概要は護岸設計一式、延長580m。施工箇所は京都市山科区。設計工期は29年12月25日まで。
 府は29年度当初予算の四宮川改修事業に3000万円を計上した。
      ◇
 一方、京都市が行う安祥寺川の整備は、JR交差部から府道四ノ宮四ツ塚線の下流まで分水路(トンネル河川)を設置する計画。JR東海道本線及び京阪京津線との交差部は水路トンネルによる分水路を設置する。縦断形状は下流の整備済み区間との整合を図り、横断形状はJR東海道本線及び京阪京津線との交差部では不足断面を確保するよう直径(内径)3・5mの管路とする。
 計画対象区間は府道四ノ宮四ツ塚線下流(整備済み区間上流端、950m)からJR東海道本線上流(1450m)までの延長約500m。
 事業効果を早期に出すため段階的に整備を行う方針で、第一段階として、特に流下能力の不足しているJR東海道本線及び京阪京津線交差部に約200mの分水路(トンネル水路)を先行して築造する。次に第二段階として、その下流に約300mの分水路を築造(延伸)する。