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建通新聞社四国
2017/03/24

【徳島】国交省と徳島県 県道路啓開計画を策定


国土交通省四国地方整備局、陸上自衛隊などの国の機関や、徳島県、県警察本部、県消防長会の他、高速道路会社、電力・電話会社、県建設業協会、学識経験者などで構成する徳島県道路啓開計画策定協議会(会長・原一郎県県土整備部長)は、3月21日に第3回会合を開き、「県道路啓開計画(南海トラフ地震対策編)」を策定した。併せて道路啓開作業の手順書、道路啓開担当業者の割り付けなども決定。これらに基づき、南海トラフ地震(震度6弱以上か大津波警報発表)が発生した場合に、迅速かつ効率的な道路啓開を目指す。22日には県庁で四国地方整備局、県、県建設業協会による協定締結式を行った。
 発生が危惧されている南海トラフ地震発生直後には、揺れや津波により、各地で道路の寸断や情報の錯綜(さくそう)・断絶が発生し、負傷者の救助、救出や支援物資の輸送等に大きな支障が出ることが想定されている。そのため事前に優先して啓開すべき防災拠点と防災拠点に至るルート、啓開作業を行う建設事業者や手順などを定め、これを関係機関が認識、共有することにより、地震発生後における早期の緊急輸送道路を確保するため、同計画を策定した。
 道路啓開は、災害発生時に緊急通行車両の通行確保のため、1車線でも通れるよう、がれき処理や修復などにより救援ルートを確保する作業。大規模災害の発生時には特に重要な作業とされている。県道路啓開計画では、県緊急輸送道路ネットワーク計画に基づく1次・2次・3次緊急輸送道路および緊急輸送道路を補完する道路が啓開の対象。今回の南海トラフ地震対策編では、四国広域道路啓開計画(四国おうぎ(扇)作戦)に設定された「優先的に道路啓開する進出ルート」(進出ルート)を優先的に啓開する。
 県内における進出ルートは、緊急災害対策派遣隊(TEC−FORCE)などの支援部隊が拠点を置く「あすたむらんど徳島」と集結拠点となる「南部健康運動公園」を結ぶ「徳島〜阿南」(ルート@※県道1号線などの山側コースと国道11・55号の海側コースの2コースで設定)と、「南部健康運動公園」と「高知県」を結ぶ国道55号を中心としたルート「高知〜室戸〜阿南」(ルートE)の二つある。
 道路啓開の目標については、ルート@はおおむね24時間、ルートEはおおむね72時間に設定している。啓開作業に当たっては進出ルートごとに支援要請や状況報告、情報共有などの連絡系統を設け、道路啓開作業実施手順に従い、進めることにしている。
 なお、今回、まとめられた道路啓開作業実施手順書、道路啓開担当業者の割り付けについては課題も多く、今後さらなる検討を踏まえ修正していく考え。協定締結を受けて、徳島河川国道事務所と県、県建設業協会は、新年度から道路啓開訓練などを実施し、そこから出た課題などを抽出、計画のブラッシュアップを行い、より実効性のあるものにしていく。

提供:建通新聞社