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建通新聞社(中部)
2017/03/30

【岐阜】瑞穂市 2017年度事業展望 棚橋敏明市長に聞く

 瑞穂市は、第2次総合計画で掲げたまちの将来像『誰もが未来を描けるまち 瑞穂』の実現に向け、育(未来)∞住(暮らし)∞安(守り)∞活(輝く)≠フ四つの基本視点に立った施策を展開している。まちの資源や人を生かした魅力あるまちづくりに向けたJR穂積駅圏域拠点化構想の推進など市の取り組みを棚橋敏明市長に聞いた。(聞き手は岐阜支局=滝秀紀)棚橋敏明瑞穂市長
 ――2017年度予算編成について。
 「生産年齢人口が減少し老年人口が増加していることから歳入の基幹をなす市税の大幅な増加は見込めない反面、社会保障関連経費の増加は避けられない状態。普通交付税においては、14年度から段階的縮減が始まっており、財政上の優遇措置を受けられる合併特例債の発行は17年度が最終年度となるなど厳しい財政状況にある。世代間の公平に配慮しつつ将来世代に過度な負担を残さないよう基金や市債などの活用を極力控え、財政健全化に配慮した持続可能な財政運営を進めている」
 「17年度予算編成においては、財政環境を十分認識して、第2次総合計画に掲げた重点施策を着実に推進するとともに、各事業においては必要性や効率性などを精査し、事業の取捨選択を行った。また、インフラ資産の老朽化への対応、大規模災害に対する減災・防災に向けたまちづくり、地方創生の取り組みの本格化などさまざまな政策課題への対応を迫られる中、誰もが未来を描けるまち 瑞穂≠目指す予算を編成した」
 「重点施策としては、現状として福祉に重きを置かざるを得ないが、社会基盤整備に対する市民からの要望も多く寄せられており、順次進めていかなければならないと考えている」
 ――社会基盤整備に対し、どのような要望が寄せられているか。
 「東海環状自動車道の(仮称)大野・神戸インターチェンジ(IC)が19年度の開通見通しとなっていることから、岐阜市から当市を経由して大野町に至る岐阜巣南大野線のバイパス整備などICへのアクセス道路の他、南北軸の道路整備も求められている。これらの道路整備の他、国道21号五六川橋以西の早期6車線化が期待されている」
 ――JR穂積駅圏域拠点化構想について伺いたい。
 「各種アンケート調査やJR穂積駅圏域拠点化構想協議会、ワイワイ会議での議論など、多様な意見を反映したJR穂積駅周辺の将来像『瑞穂市JR穂積駅圏域拠点化構想』がまとまった。きのう29日、当市と協議会が主催して、総合センターで地域の皆さんや関係する方々に対し、構想内容や策定の経緯などを報告した」
 「構想ではJR穂積駅周辺を圏域約15万人の拠点として位置付け、穂積駅の利便性向上と機能強化、駅周辺の活性化とにぎわい・交流創出を目指し、将来像を『みんなの心≠つ・つ・む場所 ほづみのエキチカ』と掲げた。交流∞居住・住環境∞駅周辺機能・にぎわい∞交通∞共通≠フ分野別各種事業を中長期にわたって推進する。拠点化を進めた上で、圏域内交通として放射線状に運行するバス(コミュニティーバス含む)を実現させたい」
 ――保育所整備計画(案)で盛り込んだ民間活力導入の狙いは。
 「限られた人材、財源の中で利用者が求める多様な保育ニーズに対し、民間の自由な発想による保育運営が期待でき、慢性化している公立保育所の保育士不足など課題の解消が目的だ。穂積保育所と牛牧第1保育所の2施設を民営化する他、保育所がない生津小学校校区内に新しく保育所を民間から誘致することを打ち出し、この3施設を『公私連携保育所型認定こども園』か『公私連携型保育所』に移行、設置する計画でいる」
 ――穂積中学校テニスコート整備事業など懸案となっている事業について伺いたい。
 「テニスコートは18年度に整備したい。また、中山道大月多目的広場(仮称)の用地については、17年度に活用方針を決め、翌年度に設計ができるよう進めたい」
 ――地元建設業へのメッセージを。
 「施工に当たり、安全や品質確保に努めていただき感謝している。当市は古くから水害に悩まされてきた地域で、社会基盤整備は地域住民の暮らしを支える他、移住定住促進にもつながっている。また、災害時には行政だけでは立ち行かない。地元建設業の支援は市民の安全安心にもつながる。今後も行政へのご理解とご協力をお願いし、共に活力あふれる住みよいまちづくりを目指したい」

提供:建通新聞社(2017/03/30)