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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/03/31

【茨城】登録証伝達式を開催/下妻市・常総市かわまちづくり

 国土交通省関東地方整備局、下妻市、常総市は29日、「下妻市・常総市かわまちづくり」の登録証伝達式を開催した。当日は関東・東北豪雨で決壊した常総市上三坂の鬼怒川堤防にて、関東地整の朝堀泰明河川部長と里村真吾下館河川事務所が、稲葉本治下妻市長と神達岳志常総市長へ登録証を手渡した。水害からの復旧・復興や地域連携を図る一環として、今後、利根川水系の鬼怒川と小貝川を結ぶサイクリングロードを整備していく。
 同計画は、下館河川事務所が県および関係市町と連携し進める鬼怒川緊急対策プロジェクトによる堤防整備などにあわせて、地域活性化などの付加価値を生むための取り組み「鬼怒川緊急対策プロジェクト+1(プラスワン)」の第1弾として位置付けているもの。
 両市の総計画延長は約65qで、管理用道路などをサイクリングロートとして整備するほか、良好な景観や安全な水辺へのアクセスなどを有する川の拠点「リバースポット」を設置する。また、歴史文化資源などの街中でのにぎわい拠点「タウンスポット」への案内板を設置することで、周囲一帯のネットワーク化を図る。
 国は管理用道路(アスファルト舗装、橋梁、坂路)、リバースポットの基盤整備。市は上面整備として案内板やベンチ、サイクルスタンドなどを配備する。
 下妻市かわまちづくりでは、@水辺の楽校AビアスパークB駒城橋C愛国橋D小貝川ふれあい公園E小貝大橋―の6カ所にリバースポットを整備。計画延長は鬼怒川が18q(左右岸9qずつ)、小貝川が8q(右岸のみ)。このうち小貝川区間については、既存の舗装路を活用する考え。
 一方の常総市かわまちづくりのリバースポットは、@きぬふれあい公園A水海道河岸跡B関東・東北豪雨での決壊現場Cスポーツ広場D新井木町一里塚E沈下橋F福岡堰G吉野公園H愛宕神社―の9カ所を予定。計画延長は鬼怒川が26q(左右岸13qずつ)、小貝川が13q(右岸のみ)。
 現時点の想定スケジュールでは、17年度に各地区の詳細設計に着手し、下妻市を19〜22年度に、常総市を18〜20年度に整備する。それぞれのサイクリングロードは独立しており、将来的には連結も視野に進める方針だ。
 登録証の伝達に先駆けて伝達者の朝堀河川部長が「地域と一体となった取り組みが、復興やさらなる発展に寄与していけばと思う。われわれ河川管理者と両市一緒になって、にぎわいあるまちづくりを進めてまいりたい」とあいさつ。
 続いて、里村下館河川事務所長が計画概要を説明。「スポットを有機的にネットワークとしてつなげ、単に堤防を造るだけではなく、新たなにぎわいを創出していく」と話した。
 受託者の稲葉下妻市長は「前々から望んでいた施策をいち早く取り入れていただき、うれしく思っている。あずまやなどのスポットを造るのにも、市として全面的に応援していきたい」と決意を述べた。
 神達常総市長は「交流人口の増大、下妻市との交流、鬼怒川を通してのつながりなど、さまざまな波及効果が地域経済に寄与すると思う。皆さまが楽しめる地域づくりをしていければ」と期待を寄せた。