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北陸工業新聞社
2017/04/12

【新潟】新潟発/飛躍する企業/Vol.19/創業の心・思いを伝承/岩塚製菓/日本が誇る米菓を守っていく/代表取締役社長/槇春夫氏

 1947年に日本有数の米の産地である越路町で創業し、今年で70周年を迎える米菓業界のトップメーカー。「地域貢献」を企業DNAに掲げる槇社長が創業70周年の思いや食の安全、未来への展望などについて語った。

◆創業70周年
 社員たちに創業の心・思いを伝承していく。『冬の出稼ぎをなくしたい』という地域への思いが当社発祥のきっかけ。また、農産物加工品は原材料より良いものは作れない。原材料が良くても加工技術が悪ければダメ。原材料を厳選して、技も磨くことが大事ということを社員が一体となって共有していくことが重要。
◆食の安心・安全
 変化するニーズを的確に捉えた商品づくりができなければ21世紀型消費社会に対応したメーカーとは言えない。安心・安全は永続的な課題。当社では原料米はすべて国産を使用している。国産米は品質に加え使う寸前に精米できるので風味が生きる。外国産米では無理である。また、国産米の使用を拡大することで日本の農業に貢献したいとも考えている。国産米の美味しさで、日本が誇る伝統的食文化である米菓を守っていかなければいけない。
◆社会貢献活動
 東日本大震災後に福島県南相馬市に行き、悲惨な状況を目の当たりにした。夢を失いつつあった子どもたちを元気付けたくて、おせんべいの授業を通して行ってきた商品開発も5年目を迎えた。商品に子どもの写真を使うのはタブーだが、関わったすべての人の願いにより、パッケージには子どもたちの成長の過程が見れる。南相馬市は震災前に比べ人口の半分以上が全国に避難していることもあり、「自分たちの元気な姿を全国に見せたい」との願いから実現した。売上の一部を寄付するなど地味だができることから少しずつ支援していきたい。
◆未来への展望
 国内のシェアを獲っていくことはもちろんだが、日本の食文化である「米菓」を「BEIKA」として世界共通語になるよう世界中の人々に広めることが成長の手段でもある。世界人口の半分以上が米を主食としており、日本固有の食文化である米菓は、グローバル化が期待される。

profile
 まき・はるお 1951年5月生まれ。65歳。長岡市出身。74年に富山大学卒業後、76年に入社し、営業本部長などを歴任して98年から現職。里山元気ファームを立ち上げ、田辺菓子舗を子会社化するなど、日本の食文化や農業を守る。

企業概要

【会社名】 岩塚製菓株式会社
【住 所】 長岡市浦9750番地
【TEL】 0258−92−4111
【 HP 】 http://www.iwatsukaseika.co.jp/
【事業内容】 米菓の製造・販売

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