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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/04/14

【茨城】県立あすなろの郷建て替えへ6月にも基本構想委託

 県は、県立あすなろの郷(水戸市杉崎町1460)の老朽化などの課題に対応するため、建て替える方針で検討を進めている。検討委員会で本年度上半期にまとめる報告書を基に、年度内に基本構想を策定する。基本構想策定業務は6月にも委託する。
 同施設は、知的障害者および重症心身障害児者のための支援施設。1973年12月にコロニーあすなろとして開設。2003年4月に内原厚生園と再編統合し、あすなろの郷に改称した。
 66万5452uの敷地に利用者の状況に応じた各寮や病院、管理棟などが配されている。03年の再編統合時に地域生活支援センターと新設居住棟を開設した。全体の建物面積は2万9745u。運営主体は指定管理者の社会福祉法人県社会福祉事業団。入所定員は障害者支援施設462人、医療型障害児入所施設・療養介護事業所40人。
 開設時に整備した施設は築43年が経過し、老朽化が進行。このため建て替えを前提に今後のあり方について検討するため、16年8月1日に小澤温筑波大学大学院教授を委員長に、学識経験者や民間施設経営者、障害者・利用者の家族など10人の委員で構成する「県立あすなろの郷検討委員会」を設置。昨年9月と12月、本年2月と3月の計4回の委員会を開催した。
 第3回までの委員会では、役割と機能に係るコンセプトとして「最重度障害者居住サービス」「高齢障害者居住サービス」「医療サービス」「在宅支援サービス」の機能に加え、相談支援などの「コーディネート」機能を担う案について、合意形成が図られた。地域移行については、あすなろの郷のグループホーム運営や取り組みの検討を進めていく。
 また、現場職員からの意見聴取を基に、「生活の質の向上のためには、省ユニット型の棟の設置が必要」などの提案が事業団から説明された。
 第4回委員会では、事務局がコンセプトに基づく施設相関イメージ図案を示し、おおむね了承を得た。このイメージ案によると、あすなろの郷の機能として、重度心身障害児者施設、医療機能、最重度居住サービス(セーフティネット棟)、高齢障害者居住サービス(高齢化棟)を設置する。
 また最重度居住サービスから地域のグループホームなどに移行する前の準備機能などとして「地域移行促進センター(仮称)」(地域生活訓練棟・有期限/コーディネート棟)の設置も盛り込んだ。各施設や民間連携の内容については、引き続き検討していく。
 本年5月に第5回、8月に第6回の検討委員会を開き、9月に報告書を公表する。その後は「(仮称)あすなろの郷整備検討チーム」を発足し、基本構想策定と並行して建て替えの位置や建物配置、建築態様などを検討していく。
 基本構想策定業務は県が6月にも発注し、年度内の策定完了を目指す。また年度内には埋蔵文化財の試掘も行う。基本設計・実施設計は来年度以降の発注を予定。順調に進めば、年度内に委託準備を進める。