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建設経済新聞社
2017/04/21

【京都】京北一貫校プロポは類設計室 W造とRC造の混構造を提案

 京都市は20日、公募型プロポーザルの京北地域小中一貫教育校施設整備事業設計業務委託ただし、校舎棟増築ほか建築及び設備基本設計・実施設計業務委託について、類設計室(大阪市淀川区)を特定したと発表した。基本計画策定及びその他業務も同社が担当。
 プロポには阿波設計事務所京都支店、共同設計京都事務所、大建設計、吉村建築事務所、類設計室の5社が参加。評価の合計点が最上位(157・6)だった類設計室を受託候補者として13日に選定した。
 類設計室の提案によると、工期・コストを踏まえ、W造とRC造の長所を生かす混構造を提案。W造を躯体上部に使って基礎工事費を安くし、耐震性などに優れたRC造を躯体下部(柱・梁・外壁・床)に使用する。
 分棟化し、体育館は1000u以下、管理棟(図書室含む)は1500u以下、普通教室棟は2000u超とした。管理棟と普通教室棟は準耐火建築物とした。
 2階建の2つの特別教室棟にW造の大屋根を架けてできる吹き抜け空間に昇降口・図書室を配置。学校の中心にある吹き抜け空間のまわりに回廊を設け、異学年や地元住民らとの出会いと交流を演出する。
 木造化によるコスト増は4450万円(校舎棟工事費の2・0%)と想定した。
 内装木質化にみやこ杣木を最大利用する方策を提案。設計仕様に盛り込むため、建築工事をWTO適用基準額(24億7000万円)に収めることを目指す。
 屋根は勾配3/10以下とし、雪止めを設置。軒先には落雪防止ネットを設ける。
 日常の交通動線となるバスロータリーまわりの積雪・凍結対策として、凍結抑制舗装を検討。井水を確保できる場合はランニングコストの小さい井水式消雪設備も検討する。
 空調室外機は基礎を地面より70p以上高くし、防雪フード付きとすることで除雪せずに運転できるようにする。
 アプローチ棟大階段に雨水が流れ込まないように校舎外構部は水勾配を適切に設ける。アプローチ棟大階段の上部や法肩に大型側溝を設ける。法尻や階段の踊り場、階段の両端部にも大型側溝を設ける。
 落ち葉対策として、網目状のグレーチングや清掃用メッシュカゴを採用する。
 丘と校舎が一体となったデザインとする。南北角の時計塔は北桑田高校・森林リサーチ科との協働で木のデザインを取り入れるなど京北のシンボルとなる景観を提案した。
 基本設計は5月〜8月中旬頃、実施設計は8月中旬頃〜30年3月中旬頃を予定。
 予定価格は1億2810万円(税抜)。同社が提出した設計業務受託見積金額は1億2000万円(税抜)。
 履行期間は30年9月28日。
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 京北地域小中一貫教育校は、京北第一小、京北第二小、京北第三小を統合し、周山中を合わせた施設一体型小中一貫教育校を32年4月をメドに開校する計画。
 これまでに明らかになっている内容をまとめると、計画施設は▽校舎棟RC造(一部S造又はW造)地下1階地上3階建、延約8500u(建築面積約5800u)▽アプローチ棟RC造2階建、延約20u(建築面積約340u)[渡り廊下S造平屋建]▽機械室RC造平屋建、延約330u(建築面積約340u)▽見守り隊詰所(仮称)S造平屋建、延約20u(建築面積約20u)▽駐輪場1S造平屋建、延約50u(建築面積約50u)▽LPG庫コンクリートブロック造平屋建、延約5u(建築面積約5u)。このほか通路整備(大階段を含む)なども行う計画。なお設計プロポの同社の提案は機械室を設置しないとした。
 整備スケジュールによると、京北ふれあいセンター(元周山小学校)ほか解体撤去工事を29年度に実施。埋蔵文化財発掘調査を30年度に進め、法面対策工事及びテニスコートほか整備工事を30〜32年度、校舎棟ほか増築工事を30〜31年度、周山中学校解体工事を32年度、体育館リニューアル及びプール棟ほか増築工事とサブグラウンドほか整備工事を32〜33年度に実施する。
 計画地は右京区京北周山町中山39−4他の周山中学校敷地の約6万7988u。
 市がこれまでに委託した業務では、地質調査を関西土木技術センター(京都市伏見区)、法面対策測量設計を牧草総合設計(京都市下京区)が担当。
 今後は、敷地内整備測量設計業務委託を5月12日に開札し担当業者を決める。
 このほか、29年度発注見通しによると、開発申請図書作成業務委託を第1四半期に発注予定。概算額区分は250万円超1000万円未満。