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北陸工業新聞社
2017/05/11

【富山】トップインタビュー/初当選果たす/林正之氷見市長/市街地のデザイン早期に/民間と協力し宅地開発

 氷見市長選で、初当選を果たした林正之氏の市政がスタートした。「オール氷見で、スピード感ある行政」をスローガンに掲げる新市長に抱負を聞いた。

 ―市長としてまず何に取り組むか
 「人口減少が深刻だ。住みたい、働きたい、育てたいという3つのまちづくりを公約に掲げた。若い世代に氷見に住んでもらうため、住宅と雇用の手当てが大切。市が市内のバランスを考慮して適地をピックアップするなど誘導し、民間事業者による宅地開発に協力したい。例えば灘浦インターチェンジ周辺が考えられる。また、10社の企業誘致の実現を目指す。市内には4つのインターがあるので、周辺の開発を考えたい。すでに市南部の大浦では工業団地が造成中で、企業のニーズに応じて用地を提供できる。県土木部時代には、新分野進出事業に携わった。経験を創業者支援に生かす」
 ―市街地の活性化について
 「旧市民病院、旧市民会館、旧市役所、旧朝日丘小学校という4つの跡地活用を含めた市街地のグランドデザインを概ね1年、今年度末までに打ち出す。複数の跡地が残ることはピンチだが、まちづくりのチャンスとも捉え、スピード感を大切に前に進める。6月議会に補正予算案を提出し、市民や有識者からなる検討委員会を立ち上げる。単に何を建てるだけでなく、にぎわい創出や観光客の誘致、津波といった防災対策などの機能を複合的に取り入れたい。休館中のひみ漁業交流館魚々座も関連付けて再生の道を探る」
 ―旧市民病院の跡地では「公民連携による新文化施設」の建設が計画されるが
 「経緯は承知しており、策定された基本計画は1つの案として尊重する。ただ、それありきではない。検討委員会や市民の意見を聞き、4つの跡地を考える中で、ゼロベースで臨む」
 ―耐震不足から休館している旧市民会館は
 「芸術文化団体などから一時的に再開してほしいとの要望を聞いている。一方で耐震診断の結果を専門的に精査したが、Is値が0・25の部分もあり、多くの方が使うには安全性に疑問が残る。慎重にならざるを得ない」
 ―市内には老朽化する公共施設が多いが
 「大浦運動公園の野球場は地盤沈下の進行状況を見て判断する。改良技術も進化しているし、だめなら新しい場所という判断も出てくる。テニスコートも含めて見極める。給食センターも建て替えの時期がきており、子供たちの食の安全に関わる重要な問題だけに早く道筋を示したい」

 はやし・まさゆき 1957年生まれ、60歳。京都大学工学部卒。79年に県庁に入り、道路課長などを経て2014年から2年間、土木部長を務めた。

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