トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2017/05/18

【石川】市民ファースト、現地現場主義/新博物館を市のエントランスに/企業誘致は複数の企業から打診も/能美市長/井出敏朗氏

 能美市長選で初当選を果たした井出敏朗氏。人口減少時代での移住・定住促進、北陸新幹線敦賀延伸への対応、広域連携、地域活性化など課題は山積している。各種事業に自身のカラーをどのように反映させていくのか。6月補正予算を間近に控える中、井出氏の元を訪ねた。

 市内一円でタウンミーティング(対話集会)を今月下旬から順次開催していく。「さらに市民の皆さんの声をお聞きしながら、住んで良かったと実感できるまちづくりを進めていきたい」と述べ、自身のモットーである「市民ファースト、現地現場主義」を徹底する。市のPR活動にも傾注し、「トップセールスで能美市の魅力を市内外に売り込み、シティープロモーションによる能美市のブランド化に果敢に取り組んでいく」と意気込みを見せる。
 市長選に伴い、当初予算は必要経費中心の骨格予算で編成した。「6月補正では、今年度からスタートする第2次総合計画に沿い、しっかりとした肉付けを行っていく」。優先する交通インフラ整備では、海側と山側を結ぶ能美東西連絡道路を挙げ、「市内の地域連携の強化や交流促進、津波来襲時の緊急避難道路として重要な機能が託されている」と強調する。
 昨年11月に手取川架橋の起工式があった加賀海浜産業道路についても「ものづくりを支える企業が集積する加賀地域と、金沢港を結ぶ海側の新たな南北幹線道路になる」とし、その役割に期待を寄せる。「いずれも県と協力しながら鋭意整備を進めていく」姿勢だ。
 和田山史跡公園周辺での建設を計画する新博物館については「能美市全体を『屋外博物館』と捉え、そのエントランス的な役割を果たす施設にしたい」と位置付ける。「ふるさとの歴史・民俗・自然を身近に感じる場所として市民が集うことで、ふるさと愛の醸成につなげたい」。
 市内への企業誘致が順調に進み、産業団地は完売が相次いでいる。現在、赤井・粟生産業団地と吉原釜屋産業団地で4万2000平方メートル余りの分譲用地を準備しており、交通アクセスの良さから関心を示す企業も多いという。来年3月には北陸自動車道能美根上スマートインターチェンジが供用する。「すでに複数の企業による用地取得の相談もあることから、近辺の地区でも新たな産業団地造成の準備を進めている」とし、今後も受け入れ体制の拡充を図る。
 北陸新幹線の敦賀延伸に向けた高架橋工事が着々と進んでいる。「金沢開業以来、当市の温泉や九谷陶芸村を訪れる観光客も増えた。いしかわ動物園のトキ里山館も開館以来好調と聞いており、地域の魅力発信と持続可能なにぎわい創出のため、県・周辺自治体との広域連携にも力を注いでいきたい」と意欲を示す。
 地元の建設業界に対しては「地域に根を下ろし、何よりも地域づくりのためにご尽力いただいている」と感謝し、「引き続き公共工事の平準化に取り組みながら、皆さんが継続的に活躍できる環境づくりに努力していく」とのエールを送る。

いで・としあき 1962年10月生まれ。85年群馬大工学部卒。民間企業勤務を経て、2011年県議会議員に初当選し、5年7カ月務めた。54歳。

hokuriku