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建設経済新聞社
2017/05/19

【京都】亀岡駅北の京都スタジアム 8月頃から入札契約手続き

 京都府は、亀岡市追分町のJR亀岡駅北側に計画の京都スタジアム(仮称)整備事業について、8月頃から入札・契約手続きを進め、工事契約案件は12月議会に提出する予定。その後、建設工事は30年1月頃から31年8月末頃まで20ヵ月の工期を想定する。
 6月頃開催の公共事業評価に係る第三者委員会に諮り、用地取得も進める。
 スタジアム建設予定地は亀岡駅北土地区画整理事業地内で、JR亀岡駅から亀岡駅北線道路沿いに約280m、徒歩4分程度。区画整理事業地のうち、現在供用中の都市計画亀岡駅北線をJR亀岡駅ロータリーとの交差点から市道保津橋追分線との交差点までの間を北側に移設し、その都市計画道路と区画整理事業計画で予定されている東・西・南の街区道路で囲まれた区域の約3・2fを建設用地として予定している。
 スタジアムの観客席数は2万1500席程度(日本サッカー協会が規定する収容規模のクラス1に対応。AFCチャンピオンズリーグ、日本代表の公式、親善試合が可能で、J1及びJ2の試合開催が可能)。フィールドは126m×84m(サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどの球技が可能)。
 建築面積は約1万5500u。階数は4階建(高さ28m)。構造はRC造一部S造。
 年間集客数は約26万人を想定する。スタジアムを訪れる観客についてはJR等の公共交通機関の利用を促す。役員や選手、報道等の関係者の駐車場はスタジアム敷地内に確保する。
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 府は5月17日に京都スタジアムの環境保全専門家会議を開き、アユモドキ等に良好な生息環境の形成及び環境保全対策などを報告した。
 アユモドキ等に良好な生息環境の形成及び保全策は、▽基礎杭はセメントミルクを使用しない無排土鋼管杭埋設工法を用い、騒音・振動・地下水の汚濁を可能な限り抑える▽屋根・外壁などで外部空間との間仕切りを可能な限り設置し、遮音性を高める▽照明器具は屋根先端から5m程度中側の屋根裏面に設置し、光源が建物外部に出ないようにする▽建物による日陰が広範に生じないよう、勾配屋根を用いた意匠とする。
 このほか、基礎構造物の掘削土のフィールド盛土への転用、コンクリート打設を最小限に抑えられるプレキャストコンクリート構造部材の使用などを予定。
 現場に出入りする工事車両は京都縦貫道亀岡インターや大井インターから国道9号、府道郷ノ口余部線宇津根橋を経由し、府道亀岡園部線保津橋に至るルートでアクセスすることを基本とする。
 スタジアムに埋設する鋼管杭は、管径φ508o、杭長9〜11m、総量720本を予定。
 基礎杭埋設工事は、これまでの河川改修工事における施工状況などのデータを踏まえ、環境保全専門家会議の意見・助言をもとに施工時期を決定する。
 施工能率は先行掘削機8・0ヵ所/台・日(1日2台が施工)、杭打機5・5本/台・日(1日2台が施工)。1日の施工量は杭打ち本数11本。
 雨水排水対策では、スタジアム工事中の濁水は仮沈砂池で処理し、排水幹線ルートを通じて雑水川に排水する。グラウンド部(約1f)や敷地内で駐車場に利用する場所、観客等が滞留する広場などで雨水貯留浸透機能を有した舗装、排水路等の整備を図り、排水先の雑水川への雨水流出の抑制、地下水への涵養に努める。
 景観対策では、勾配屋根の採用のほか、保津川下りの「浮船」を連想させる逆台形のシルエットと町家の「垂木」をイメージする軒天井を設ける。
 全体事業費は約132億円(スタジアム建設工事費130億円、設計費等2億円)。用地費34億円をあわせた概算事業費は約166億円。
 京都スタジアム(仮称)実施設計等業務は東畑建築事務所大阪事務所(大阪市中央区)と1億1880万円で契約。同社の提案によると、建物の規模は延約3万3000u。整備が見込まれる主な施設及び設備の仕様によると、施設内容として全席を覆う屋根、ゼロタッチの観客席(ゴールラインとの距離10・5m、タッチラインとの距離8m、観客席とピッチとの高低差1m)。座席内容は座幅45p、座間隔47p(跳ね上げ式)。大型映像装置、照明1500ルクス以上。このほか、太陽光発電、LED照明器具の採用、府内産木材活用(「木ルーバー」や内装使用)、ニュースポーツ(クライミングウォール)、防災備蓄倉庫、商業ゾーン、芝管理(日照、通風、散水の確保)。
 京都スタジアムの運営権PFI事業導入可能性調査業務はPwCアドバイザリーが担当。