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建通新聞社(中部)
2017/05/23

【岐阜】県2017年度事業展望 可茂土木事務所

 岐阜県可茂土木事務所は、美濃加茂市、可児市、加茂郡(坂祝町、富加町、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、東白川村)、可児郡(御嵩町)の2市7町1村を管内に持つ。
 管内の県管理道路は433`。改良率は60%と県平均の65・4%を下回っており、交通渋滞の解消や歩行者の安全確保に向けて生活、産業道路の整備が急がれる。4月に着任した野原克浩所長に2017年度の事業計画を聞いた(聞き手は岐阜支局=武藤省吾)可茂土木 野原克浩所長
 ――新任地の抱負は。
 「当地域は2010年、11年と2年連続で局地的な集中豪雨による災害が発生している。異常気象に備えて河川整備、土砂災害防止対策、災害に強い道路整備を進めるとともに、災害の危険性を住民に認識してもらうなど、ハード対策とソフト対策を組み合わせた防災・減災対策を進めたい。また、『清流の国ぎふ』づくりに向けて自然と共生した河川整備も進める」
 ――17年度基本方針について。
 「可茂地域の未来を支えるための幹線道路整備、県民の命と暮らしを守るための道路整備、河川整備と土砂対策などの事業を、国、市町村、建設関係団体などと連携・協力して地域住民に信頼されるよう丁寧かつ着実に進めていく」
 ――重点施策(主な事業)について、道路は。
 「『幹線道路の整備』では、16年11月、八百津方面から東海環状自動車道へのアクセス道路となる多治見白川線のやおつトンネルが完成した。17年度は、国道248号の可児市文化創造センター前の交差点改良工事に着手し、渋滞緩和を図る」
 「この他、異常気象時通行規制区間の解除に向けて、七宗町上麻生地内の可児金山線、白川町黒川地内の白川福岡線の改良事業を継続する。坂祝町黒岩地内の富加坂祝線と可児市下恵土地内の街路事業では用地買収を継続する」
 「『強靱(きょうじん)な県土づくりの推進』のうち、災害から人命を保護し、県土の保全を図るための道路の防災・減災対策の強化として、御嵩町内の緊急輸送道路である多治見白川線および多治見八百津線において亜炭廃坑の路面陥没対策事業を進めていく。また、緊急輸送道路における橋梁の耐震対策として八百津町八百津地内の国道418号新油皆洞橋(しんゆがいとばし)を耐震補強する」
 「また、可児市大森地内の多治見白川線などで舗装補修を行う他、七宗町上麻生地内の上麻生停車場線神渕川橋などで橋梁補修を行う」
 「交通安全事業では、美濃加茂市今泉地内の富加坂祝線、八百津町上牧野地内の野上古井線と可児市中恵土地内の可児金山線で歩道整備などを進める。斜面対策として白川町和泉地内の下呂白川線で落石対策の測量設計などを計画的・重点的に進めていく」
 ――河川整備は。
 「河川整備では、10、11年の局地的集中豪雨により被災した河川で流下能力拡大のため改修を推進する。久々利川では可児市久々利地内で用地買収を進めるとともに、東屋敷橋架け替えの工事、護岸整備を進める。加茂川では美濃加茂市太田町地内で護岸整備を継続する」
 「『清流の国ぎふ』づくりでは、川辺町下飯田地内の飯田川で自然と共生した河川整備を行っていく。この他、美濃加茂市下米田町の深渡川、御嵩町御嵩の平芝川、可児市大森の大森川などで護岸整備を継続する」
 ――砂防・急傾斜地崩壊対策は。
 「土砂災害防止対策については、土砂災害特別警戒区域内にある避難所や公民館などの施設保全を優先的に行う他、過去に被災した箇所で砂防施設や急傾斜地崩壊対策施設を順次整備していく」
 「砂防事業では、東白川村越原の曲坂川で測量調査設計に着手する他、美濃加茂市三和町の鯉下り川の工事を進める。急傾斜地崩壊対策事業では、七宗町神渕の古摩、久田久と八百津町杣沢、可児市兼山の盛住、東白川村神土の平で継続して事業を推進する」
 ――県営公園関係は。
 「公園施設の長寿命化計画と16年10月に策定した『岐阜県都市公園活性化基本戦略』に基づき、花フェスタ記念公園と平成記念公園(日本昭和村)の老朽化した施設修繕などを計画的に進める」
 ――地域建設業へのメッセージを。
 「地域の建設業は、社会資本の整備や維持管理に不可欠だ。突発的に起こる災害に対し、休日昼夜を問わず応急復旧や除雪などに対応してもらっている。いつも地域の安全や安心を支えていただき、大変感謝している」 「社会資本を支えるパートナーとして建設業を担う人材の育成、確保のために、若手や女性技術者の育成支援モデル工事、建設現場環境改善モデル工事、週休2日制モデル工事やICTを活用したモデル工事を実施していくので、積極的な取り組みをお願いしたい」
 「建設業を取り巻く経営環境は依然厳しいが、公共事業への地域のニーズは多く、老朽化する社会資本の補修、改築など今後やらなければならない事は多い。可茂土木事務所としても事業費の確保、工事の平準化など事業のスムーズな進捗に取り組んでいきたい。建設業には、今後とも高い品質の工事を目指し、地域の方々から信頼され応援される建設業界として頑張っていただきたい」

提供:建通新聞社(2017/05/23)