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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/05/25

【茨城】境町が道の駅さかいリノベーション事業で7月にもレストラン増築を公告

境町は「道の駅さかい」のリノベーション事業として、地元特産物で知られる「さしま茶」などを活用したレストランの増築工事を計画している。22日には、設計・施工監理を担当する隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)の隈研吾氏と共同記者会見を開き、同計画を説明。「交流の拠点となる河岸蔵」をコンセプト案とし、S造2階建て、延べ約380uを増築する。近く実施設計をまとめ、7月にも増築工事の一般競争入札を公告する。同月中旬にも着工し、来年3月の完成を予定。総事業費は1億9800万円を見込んでいる。
 町では、道の駅さかいを観光拠点や交流人口拡大の場として確立するため、特産品のさしま茶や梅山豚(メイシャントン)などを飲食できる新施設を、既存施設と隣接する形で整備する。圏央道の県内区間の開通などから、既存施設で利用者の増加に伴う狭隘化が発生していることもあり、施設や駐車場を拡大する計画だ。
 場所は境町1341―1で、県道17号結城野田線沿い。南西側には一級河川利根川が流れる。
 3月15日には、設計・施工監理について隈研吾建築都市設計事務所と契約。契約額は2000万円(税抜き)。履行期限は来年3月30日。
 同事務所の隈研吾氏は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の設計を担当するなど、国際的に注目されている現代建築家の一人。
 増築規模はS造2階建て、延べ約380uを想定。場所は敷地北側にある職員用駐車場を計画している。レストラン施設のほか、中庭、遊歩道、外階段などの外構関係も整備する。敷地面積は約600uで、このうち300uずつレストランと中庭に配分する計画。
 施設の外装には、さしま茶による茶畑ポッドを設置する。これは県産木材を活用してつくるもので、施設内への太陽光を遮断する。新国立競技場と共通の設備。併せて施設外構に茶畑などを整備する。
 また、大きく開いた外階段によって、レストラン1階部分、中庭、2階部分をつなぎ、回遊性を高める。
 1階部分には、地元食品など、地産地消をテーマとしたビュッフェレストランを設ける。一方の2階には、お茶文化を発信するさしま茶サロン、梅山豚の鉄板焼き設備を置く。全体の内装には、さしま茶染めのファブリックを備える。
 このほか、廃棄材をリサイクルした吸音効果の高い内装パネル、路面温度を下げる舗装材など、自然環境に配慮した素材を使用する。
 総事業費1億9800万円のうち、工事費に1億7800万円、設計委託料に2000万円を配分。財源には国の地方創生拠点整備交付金などを活用する。
 なお今回の増築に伴い、北側駐車場の拡張工事を実施。1期整備工事を巨谷建設工業(境町)が担当。工期は7月末まで。
 記者会見で橋本正裕町長は「町としても道の駅が目玉施設となると思う。たとえば、さしま茶を活用したサロンなど、独自化に向けた拠点になり、周りから人が呼べるような施設にする。隈氏とタッグを組み、成功に結び付けていきたい。素晴らしい建築ができることを期待する」と意気込みを語った。
 隈氏は「今回は、食が人と町を結ぶにぎわいの茶蔵をテーマに、建築に反映した。河岸として栄えた、境町らしいにぎわいをもう一回つくりたい。通りをにぎわいの河岸と定義し、交流の拠点となる河岸蔵をつくる」と説明した。