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西日本建設新聞社
2017/05/31

【熊本】女性目線で現場見学 「くまもと建麗会」活動スタート

 熊本県内の建設業で働く女性の集まり「くまもと建麗会(森山澄江会長)」は5月25日、現場見学・意見交換会を開いた。2月の正式発足後、初めての活動となった。参加した10代から50代までの22人は、営業、事務、現場監督、後継者など様々。初めて入るトンネル工事現場に目を輝かせ、作業服の悩みなど女性目線で意見を交わした。
 建麗会は、熊本県建設産業団体連合会の会員企業に所属する女性の交流会。女性同士のネットワークづくりや女性が働きやすい職場づくりを目的に平成27年10月に立ち上げて、これまでに3回会合。「たまには作業服で集まりたい」「現場を見てみたい」という意見を受け実行した。
 現場見学の場所は、熊本市西区花園の県道砂原四方寄線(池上工区)2号トンネル新築工事現場。森山会長は「昔、女人禁制だったトンネル工事現場に皆さんと入るのは、何か凄いことだと感じている。裏を返せば建設業界は閉ざされているものではなく、開かれているということ。仲間と一緒に声を出し、気持ちよく楽しく仕事ができる環境づくりを進めていきたい」と挨拶した。
 現場に入った参加者はスマートフォンで撮影したり現場の人に質問したりと、普段見る機会の少ないトンネル工事に興味津々の様子。「普段入る建築現場とは全く違っていて驚いた」「生で大きな現場を見られて嬉しい」「早く資格を取ってこんな仕事を任されてみたい」などと話していた。
 意見交換では職場環境が議論され、「男性用の作業服しか無いのでサイズが大きい」「男性用の作業服は生地が薄いので透けないか気になる」「上下が同色なので格好悪い」「現場のトイレは男女兼用が殆ど。無い場合もある」「健康面は男性に相談しづらい」など女性ならではの意見が続いた。中には「入札後に妊娠が分かったが、発注者に現場代理人の変更を認めて貰えず、臨月になっても足場に上り、竣工検査は寒い中6時間かかった。病気で無くても配慮して欲しい」と行政への意見も。少しでも改善に繋がるよう、これらの意見は建産連を通じて会員企業に発信する。
 ピンクを基調とした会のマークも決まり、今後はお揃いのユニフォームを着用してのボランティア活動、女子高校生との意見交換などを展開していく方針だ。
 建麗会会員は2月発足時の28人から44人にまで増加した。建産連会員企業に勤める女性なら誰でも参加でき、県建設業協会で随時、入会・問い合せに応じている。

提供:西日本建設新聞社
公式フェイスブックページ:「記者 建設探訪