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北陸工業新聞社
2017/06/02

【富山】とやま新機軸/若者が夢と希望の抱ける産業に/県建設業協会会長竹内茂氏/「業界発展へ職責全う」

―新会長就任の抱負からお願いします。
 昭和23年の設立以来、約70年の歴史を刻んできた伝統ある(一社)富山県建設業協会の会長という重責を担うことになり、身の引き締まる思い。
 現在の建設業界には、公共事業予算の増額・安定確保を始め、入札契約制度改革、担い手の確保・育成など多くの課題があるが、会員の皆様の声に耳を傾け、会員企業の繁栄、建設業界の発展のために、微力ながら全身全霊をかけて職責を全うしたいと考えている。
―地域建設業の使命と役割、地域建設業を取り巻く現状など。
 我々地方の建設企業は、地域住民の生活と経済活動の基盤であるインフラの整備やその維持管理等の担い手であるとともに、災害が発生した場合における緊急対応や復旧・復興活動等、地域の安全・安心を守る重要な使命を担っている。また、地域の雇用を支える基幹産業でもある。
 将来に亘ってその社会的使命を果たしていくためには、企業経営の安定化を図り、インフラの整備・維持管理や災害・除雪等への対応に必要な人員や資機材を維持し、常に対応できる体制を整えておくことが必要。
 しかし、国の公共事業関係費は下げ止まったものの大きく伸びることはなく、大都市偏重の予算配分などにより、事業量の地域間格差・企業間格差が顕在化・拡大化しており、その使命を全うすることが難しくなっている企業が増えつつある。
 また、労働人口の減少により、全産業において若者の担い手確保が難しい中、建設業への入職者は近年増えつつあるもののまだまだ少なく、しかもせっかく入職しても3年以内の離職率が高く、担い手の確保・育成は大変難しい状況にある。このままでは、これまで培ってきた優れた技術や技能の継承が危惧される。
―使命や役割を果たしていくために、貴協会として取り組む重点事業について。
 地域に精通した技術力、経営力のある地元建設企業が、それぞれの地域においてその使命をしっかりと果たしていくには、将来を見据えた経営方針をしっかり立てることができるよう、公共事業関係費を安定的・持続的に確保し、地域に一定の仕事量を確保することが重要。このことを、これからも要望や意見交換の場を通して関係機関等にしっかりと訴えていきたいと考えている。
 また、担い手の確保・育成については、高校生に対する現場見学会や出前講座、その親御さんとの意見交換会などにおいて、DVDやパンフレットなどを活用して建設業の魅力ややりがいなどをPRするとともに、仕事に早く慣れ自信を持って取り組めるよう、新入社員合同研修会や施工管理技術検定試験直前対策講座などを引き続き開いていくこととしている。各会員企業においては、労働環境や処遇の改善などにより新しい3K「休日」「給料」「希望」の職場への転換を図っていただきたいと考えている。
 いずれにしても、建設業が若者にとって夢と希望の抱ける産業として発展していくよう、全力を挙げて取り組んでいきたい。
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 たけうち・しげる 1953(昭和28)年12月生まれ。63歳。婦中興業代表取締役社長。県建設業協会では99年に理事、04年に常任理事、11年から副会長を務めた。5月29日の定時総会で会長就任。富山市在住。

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