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建設経済新聞社
2017/06/26

【京都】鳥羽センターの階段炉更新 固形燃料化炉でDBO方式 9月予算化、11月以降公告

 京都市上下水道局は、南区の鳥羽水環境保全センターの下水汚泥焼却炉のうち、階段炉の1基を「固形燃料化炉」として更新する下水汚泥固形燃料化事業に乗り出す。
 鳥羽水環境保全センターでは、4基の焼却炉(階段炉2基、流動炉2基)で汚泥を焼却している。これらのうち階段炉は延命化を講じてきたが、稼働から約30年が経過し、老朽化が著しく、次期経営ビジョンの期間(30年度〜39年度)に迎える更新時期に合わせ、新たな焼却炉を建設する必要がある。これに加え、27年度の下水道法改正で公共下水道管理者に対し、下水汚泥を燃料等として再生利用するよう努力義務が課せられた。
 こうした状況を踏まえ、新たな下水汚泥の処理方法として下水汚泥の有効利用の促進や減量化等の効果が期待できる固形燃料化技術の採用を検討しているもの。
 固形燃料化炉は、低酸素状態等にした炉内で下水汚泥を蒸し焼きにし、汚泥に含まれる水分を蒸発させることで固形燃料を製造する施設で、製造された固形燃料は石炭の代替燃料として火力発電所等で有効利用ができる。
 固形燃料化炉は温室効果ガス発生量が他の焼却炉と比べ少なく、温室効果ガス排出量の削減ができ、焼却灰の発生量の削減にもつながり、最終処分場の延命化も図れるとしている。下水汚泥の有効利用率は現在の23・7%から、別事業で進める消化タンクの再整備により約30%に向上し、さらに今回の事業の実施で約50%に向上すると見込む。
 事業手法は、公設公営の従来方式(総事業費108億円)、民設民営のPFI(BTO)(同103億円)、公設民営のDBO(同100億円)を比較検討。固形燃料化炉の設計・建設から運転管理、固形燃料の販売に至るまでの業務を一括して民間事業者に委託するDBO方式が最も優れているとした。
 事業期間は30年度から52年度(30年度から3年間で施設の設計及び建設、33年度から20年間で施設の運転及び固形燃料の販売)までと設定した場合、概算事業費は約100億円(既設焼却炉の撤去費用約10億円は含まず)と試算。公設公営の従来方式を基準にすると、DBOを採用することで削減できるVFM(バリュー・フォー・マネー)は6・21%と見込む。
 事業の実施にあたり、透明性と公平性を確保するため、PFI法及び京都市PFI導入基本指針に準じて進めることとし、学識経験者等で構成する第三者委員会を附属機関として設置し、意見を聴く予定。
 今後は、29年9月市会に事業実施に係る補正予算を債務負担設定するとともに、関連議案を提案する考え。
 29年11月以降に入札公告、実施方針、要求水準書等の公表を行い、30年4月の契約締結を目指す。