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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/06/13

【茨城】歴史と未来の交流館の基本設計策定完了

 東海村が建設に向けて計画を進める(仮称)歴史と未来の交流館の基本設計がこのほどまとまった。「歴史博物館ゾーン」「子ども未来館ゾーン」「交流・共有ゾーン」「屋外広場ゾーン」の4つのゾーンで構成し、各ゾーンの機能や連携に配慮した構成とする。規模はRC造一部S造2階建て、延べ2364u。実施設計については今後、住民への理解を深めてから着手する方針だ。設計者には昨年の公募型プロポーザルで活イ設計(東京都品川区)を選定している。
 同施設のテーマは「歴史と未来の交流」。村の歴史や文化財を「伝承、収集、保存、展示」するとともに、未来を担う子どもたちが「観る、触れる、学ぶ、好奇心をはぐくむ」といった体験活動を行え、また、さまざまな世代が「憩い、交流し、情報発信」することができる生涯学習の拠点施設とする。
 施設概要は規模がRC造一部S造2階建て、延べ2364u。建築面積は2180m。最高高さが10・5m。概算事業費は12億円。建設地は東海消防署西側の村有地(村松字藤ヶ作768―38)で、敷地面積は6669u。北側に駆上り動燃線(幅員16m)、西側に小松原笠内線(幅員16m)、東海高等学校側に村道2300号線(幅員5m)が接道している。
 施設は4つのゾーンで構成。基本展示室、特別展示室、調査研究室、収蔵庫などを設置する「歴史博物館ゾーン」、多目的室、団体活動室、サポーター室などを設ける「子ども未来館ゾーン」、エントランス、カフェ、キッズスペースなどを配置し、歴史博物館ゾーンと子ども未来館ゾーンの活動をつなぐ「交流・共有ゾーン」、屋外でのワークショップやイベントなどへの利用を目的とし、遊歩道や駐輪場などを整備する「屋外広場ゾーン」―。そのほか管理諸室として事務室やトイレ、応接室、倉庫などがある。2階部分には収蔵庫、電気機械置場、屋外置場を配備する。
 建築のコンセプトは「社会教育施設や学校施設等が集積している文教エリアに大きく開いた建物配置」、「ヨコの帯状のゾーニングをタテの活動でつなぐ」、「歴史と未来が交流する交流活動スペース」の3点を掲げる。
 環境への配慮としては、勾配屋根とすることで屋外広場への採光を確保。また、屋根の高さをスパンごとに変えることでハイサイドライトを設け、室内に自然採光を確保するとともに自然換気を可能とする。
 今後のスケジュールについて、当初は本年度中の実施設計策定、2018、19年度の建設工事、20年度の開館を予定していた。しかし、3月議会で17年度一般会計予算に対する付帯決議として「引き続き住民説明会などを開催し村民の理解を得るよう努めること」「当初予算に計上された実施設計委託料7400万円は施設の管理運営計画を取りまとめ、広く村民の理解を得た上で予算執行すること」との動議が全会一致で可決された。そのため、実施設計の策定および着工の時期についてスケジュールに遅れが生じる可能性がある。
 村は9日、村民への理解を深めるための座談会をスタート。基本設計や管理運営計画の骨子を説明するとともに、住民との意見交換を行う。座談会は6月15日まで、村内各地で開かれる。