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西日本建設新聞社
2017/06/29

【熊本】復旧復興で新規に6項目要望 政府と県市町村が意見交換

 熊本地震からの復旧・復興に向け、政府と熊本県、市町村との現地意見交換会が6月28日、テルサであった。政府から内閣府の松本純防災担当大臣と各省庁の約80人、自治体からは蒲島郁夫県知事、市町村の約220人が出席。県は被災者の住まい再建に向けた支援策など6項目を新規に要望した。
 冒頭挨拶で松本大臣は「復旧・復興に向け着実な足取りを感じる一方で、4万7000人を超える被災者が仮設住宅等での生活を余儀なくされ、住宅再建は道半ばだ。インフラ復旧やまちづくりなど、中長期的に取り組むべき課題も残っている」と述べ、政府一丸となって引き続き支援していく姿勢を示した。
 蒲島知事は「地震から1年2カ月が過ぎ、残された課題も見えてきた」と述べ、被災者の住まい再建への道筋を一刻も早く示すことを最大の使命に挙げて、近くまとまる1万9000世帯を対象とした調査結果をふまえ、具体的な支援策を政府に求めていく方針を伝えた。
 「インフラ等」「住民の暮らし、すまい確保」「産業」「生活・教育・住民サービス機能等」の4テーマにわかれた分科会もあり、インフラ等の復旧・復興では、国道57号現道の復旧時期の早期公表や阿蘇地域の土砂災害防止対策、地震で増大する維持管理費への財政支援などを要望した。
 新規要望6項目は次のとおり
【被災者の住まい再建・確保に向けた支援】
 相談支援、移転費用等支援、木造応急仮設住宅を改修して公的住宅を整備する場合の改修費用への財政支援
【外国人材の活用機会の確保】
 外国人留学生の起業の要件緩和、資格外活動時間延長・拡大や中小企業の雇用外国人の資格活動量確認の要件緩和
【大規模災害時の公共土木施設災害復旧への財政支援】
 災害復旧事業の民間コンサルタントへの業務委託費等の財政支援
【地震で増大する維持管理費への財政支援】
 災害復旧事業の対象とならない土砂掘削や浚渫、維持管理費等経費への特別な財政支援
【所有者不明等の土地取得時の特例制度創設】
 復旧・復興事業での用地の新たな取得制度創設
【被災地のまちづくりに必要な事業の予算確保・制度拡充】
 小規模住宅地区改良事業・都市防災総合推進事業等の補助率嵩上げや地財措置充実、益城町の被災市街地復興推進地域内で行う街路事業や都市公園事業等について土地区画整理事業と同等の地方負担軽減。

松本大臣が被災地視察

 意見交換会に先立ち、松本防災担当大臣は27日に阿蘇大橋崩落現場、東海大学農学部、28日に熊本城、益城町被災地、テクノ仮設団地などを視察した。松本大臣の被災地入りは就任直後の昨年8月以来2回目。
 阿蘇大橋と長陽大橋では、国土交通省熊本復興事務所の辻芳樹所長から進ちょく状況の説明を受け「復旧・復興が着実に進展している」と感想。東海大学では校舎に入って被災状況などを確認し、「改めて被害の甚大さを痛感した。復旧復興へ向け中長期的に取り組むべき課題があり、引き続き対応していく必要がある」と話した。

提供:西日本建設新聞社
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