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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/07/15

東京ガスが茨城幹線へ下期着工/日立LNG基地はタンク増設

 東京ガス鰍ヘ本年度、日立LNG基地(日立市)〜東和田ブロックバルブステーション(神栖市)を結ぶ延長約90qの高圧ガスパイプライン「茨城幹線」に着工する。ルートの大半はガス管を道路下に埋設。3つの河川横断部など6区間はシールド工法を採用する。すでに全区間の元請企業が決定しており、道路管理者等の許可を待って下半期から本格的に工事に着手し、2020年度末の完成を目指す。日立LNG基地では2号タンクの増設も計画。ガス供給インフラの拡充・増強により、北関東エリアのさらなる都市ガス普及拡大と安定供給を図っていく。
 茨城幹線は12年度から検討に着手し、15年度末に大まかなルートを決定。昨年度から各行政などへの計画説明を経て具体的なルート選定作業に入り、このほど詳細を固めた。現在はガス管を埋設する道路などの管理者と協議を進めており、許可を待って下半期から工事に取り掛かる。
 ルートの大半は開削工法により道路下に埋設するが、久慈川、那珂川、涸沼川の3河川と鹿島港付近、および一般的な深度に埋設スペースが確保できない2区間の合計6区間についてはシールド工法を採用する。このうち鹿島港区間についてはすでに準備工事に取り掛かっている。
 元請企業は全区間決定しており、ガス管工事はJFEエンジニアリング鰍ニ東京ガスエンジニアリングソリューションズ鰍ェ担当。シールド工事は大成建設鰍ェ2区間、鹿島建設梶A前田建設工業梶A清水建設梶A樺|中土木がそれぞれ1区間を施工する。
 管径は約60p、材質は鋼管で、輸送圧力は7MPa。茨城幹線の整備により、日立LNG基地と既設の千葉〜鹿島ラインがつながり、高圧ガスパイプラインのループ化(環状化)が実現。供給の安定性が高まるとともに、バックアップ体制も強化される。
 また、16年3月に稼動を開始した日立LNG基地では、今後のさらなる天然ガス需要の増大に対応するため2基目のLNGタンクを増設する。構造・規模は既存タンクと同じPC地上式23万kl。建設予定地は敷地に隣接する県有地で、用地取得はこれから。施工の元請企業は東京ガスエンジニアリングソリューションズで、土木工事は鹿島建設、機械工事は鰍hHIが担当する。着工は18年度、完成は20年度の予定。
 さらにLNG気化器も増設。こちらはすでに着工しており18年度の完成を目指す。設備概要は液液熱量調整装置付き気化器150t/h×2基。施工は住友精密工業鰍ェ担当。
 なお、14年1月から着工している「古河〜真岡幹線」は今秋に完成予定。古河市と栃木県真岡市を結ぶ延長約50qの高圧ガスパイプラインで、これにより埼東幹線と茨城〜栃木幹線が接続する。