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建通新聞社四国
2017/07/25

【高知】高知県新食肉C検討会 施設規模2パターンで協議

新たな食肉センターの整備を検討する第5回会合が21日、高知市内で開かれた。会では現在の高知県広域食肉センター(高知市海老ノ丸)の敷地に新たな施設を建設するという方向性を決めた他、外注している新施設建設可能性調査の報告を踏まえ、規模と機能は二つのパターンで検討していく考えを示した。
 事務局を務める県農業振興部が示した運営シミュレーションは、高知市の現広域食肉センター敷地内に新施設を建設した上で、四万十市営食肉センターと役割を分担し、今後見込まれる牛と豚の処理頭数に応じた二つのパターン。
 施設規模は、牛を全て高知市、豚を全て四万十市で処理するパターン1が2階建て延べ2850平方b。牛の増頭分は全て高知市で処理し、四万十市出荷分は現状通りとした上で、豚を全て四万十市で処理するパターン2が2階建て延べ2600平方b。両パターンとも、と畜・加工部分を1階、事務室を2階に配置する。パターン1と比較し、2の方が建築面積が減少するため配置計画が容易で、工事車両・資材置き場の確保が可能といったメリットがある。
 一方、運営面を見ると、パターン1の方が牛の頭数が多く内臓販売額が増加、1と比べ2は牛の部分肉加工頭数が減るため収益が減少することから、1の方が運営収支の黒字額が大きい。しかし、減価償却費を含むと両パターンとも初年度は赤字となり、2は15年後も赤字が残ると試算されている。
 その中で、検討会の委員を務める中平正宏四万十市長と中尾博憲四万十町長は、四万十市でも牛の処理が一定必要との考えから、パターン2での建設を要望した。その中で、今後は四万十市でも食肉センターの検討会を立ち上げ、牛の処理をどうするかといった議論を進める方針を示した。また、県東部でも豚の生産者がいることから、高知市でも少頭数の豚を処理できる体制づくりの必要性も示した。
 新センターの建設地については、現在の高知県広域食肉センターは老朽化が進み、2019年で耐用年数を迎えることに加え、利便性の良さも考慮し、現施設の敷地内で建て替えることで一致した。
 設置主体については、公設または官民共同出資の組織体のどちらかで検討を進める。
 整備検討会は、市町村、学識経験者、生産者、量販店、食肉センター利用団体など計19人で構成、高知大学の飯國芳明教授が委員長を務める。老朽化が進み赤字経営が続く高知県広域食肉センターに代わる施設整備を協議しており、今後の方向性を取りまとめる。

提供:建通新聞社