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北陸工業新聞社
2017/08/05

【福井】首長インタビュー/インフラの老朽化対策/岡田高大大野市長(下)/特別豪雪地帯を十分に考慮/当たり前を有り難いに

 ■インフラの老朽化対策で市民理解をどう広めていくか?
 市長 財政難のなか色んな提案はあるが、単にもったいないから残せ、新設はしなくていい、などではいけない。やはり中身(重要性)が大切で、とくに大野は特別豪雪地帯のため厳しい気象条件も十分に考え合わせて判断しないといけない。ところが、なかには耐震補強を施せば耐用年数が延びると誤解する向きも。それは大変な間違いだ。また現代は交通手段が発達し、馬車や荷車がメインの時代とは全く違う。管理する市道も約500キロメートルあり、移動時間も相当に短縮された。そんな時代状況も十分に考慮しないとけない。
 ■老朽化対策に臨む意気込みは?
 市長 人口減少社会の傾向はしばらくは続き、少子化も想定して、まちづくりの基本となる都市の在り方、まちづくりの在り方を示す立地適正化計画を今年度中に策定。この計画に沿って都市機能を維持し、私としては各地区の公民館など小さな拠点の連携を一層強化し、人口減少社会を乗り切っていきたい。空き家や空き地、耕作放棄地、山林の所有者不明問題など、将来に向け今やらねばいけない課題が山積。田畑や山林は国の公共インフラの基本で、国土を守る農業者や林業者は不可欠な存在だ。大野には水害により作られたダムが2つ。九頭竜ダムと真名川ダムがあり、以来そのお陰で大規模な水害は発生していない。下流域が享受してきたものは大変に大きいが「水害のない状況」が当たり前となっている。そこで来年の九頭竜ダム築50年を祝して現在、ダム建設の恩恵に感謝するイベントを国交省が計画中。もしもダムがなければをシミュレーションし、どれだけの財産損失を防いできたのかが分かるよう国交省と作業中だ。累積すると何百、何千億円の農地やまちの財産が守られてきたと思う。当たり前を有り難いに変えていく運動で、自信と誇りにつなげていきたい。恵まれた環境に暮らしているのだから。

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