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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/07/29

【茨城】水戸市の新市民会館/木造やぐら構造で中心市街地シンボルに/2・2万u、来年度着工

 水戸市は新市民会館等施設建築物の基本設計をまとめた。規模はRC・S・W造地下1階地上4階建て、延べ2万2800・3u(建築面積約7145u)。RC造の大ホール(2000席)を耐火木部材のやぐらで囲む大型・都市型建築物では先進的な構造とし、中心市街地の新たなシンボルとなることが期待される。順調ならば2018年度から3カ年で工事を進め、20年度内の完成を目指していく。概算事業費は約192億円。
 新市民会館は、泉町1丁目北地区(約1・4ha)に泉町1丁目北地区市街地再開発事業で整備する。施行者は泉町1丁目北地区市街地再開発組合(宇野光一理事長)。総事業費は約285億円。設計は伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所共同企業体。
 コアとなる建物には3層構成の大ホールや中ホール(490席)、会議室などを配置。最高高さは35・8m。耐震壁付きラーメン構造で、大地震発生時にも建築機能を維持できるようにする。四方をやぐら状の木組み(52cm×67cm、耐火木柱)で包み、水戸藩城下町の力強い風格を表現。外周部の木柱は、保護のためアルミキャストパネルで表面を覆う。南側を除く外装には日射遮蔽効果のあるルーバーも設ける。
 1階にはエントランスホール、商業エリア、カフェレストラン、やぐら広場などを置く。やぐら広場はパブリックビューイングやコンベンション、マーケットなどさまざまな利用を想定。駐輪場は東側に約150台。エレベーターは搬入用を含め9カ所程度。
 2階には展示ホールやスタジオ、ラウンジ、3階には大会議室や中小会議室を置く。4階には中小ホールを配置。和室や板の間、連続性のある屋上庭園も設ける。
 地下1階には駐車場(32台)、機械室、備蓄倉庫(100u)などを置く。泉町駐車場(200台)と連結する通路(L5m、W3m)も設ける。
 熱源は地下水利用ヒートポンプ、電気式空気熱源ヒートポンプ、ガスエンジン式ヒートポンプを併用。空調は床輻射冷暖房や居住域空調、個別空調などを適材適所で用いる。トイレは節水型器具を採用し、人感センサー制御照明を取り付ける。
 周辺道路については、敷地西側の市道上市189号線(L約130m、W17m)、北側の幹線市道4号線と東側の上市192号線(L約200m、W10m)を拡幅整備する。
 基本設計は28日の市議会特別委員会で執行部が報告した。順次、実施設計に取り掛かり、18年度から3カ年で解体工事や施設建築物工事を進め、順調ならば20年度内に供用を開始する見通し。
 また、当日は関連する立体駐車場整備についての説明もあった。
 立体駐車場は、市営駐車場として用地買収方式により市が整備を実施する。計画区域は約2800uで、既存の水戸芸術館東側駐車場と北側の民間所有地を合わせた地域。地権者は9人。買収面積は約1250u。土地開発基金の概算所要額は約1億4000万円。
 規模はS造5層6段。高さは約20m。屋根は設置しない見通し。事業費は約18億円。内訳は調査設計計画費が5000万円、土地整備費が1000万円、用地補償費が1億4000万円、工事費が16億円。都市再生整備計画事業(都市再構築戦略事業)として国の補助金は2億2500万円を見込む。
 9月補正で基本設計費などを提案し、建物調査、用地補償を行うとともに、土地開発基金による先行買収を進める。来年度は実施設計と用地補償を予定。19〜20年度の2カ年で整地工事や建築工事などを進める。
 なお、敷地の東側を南北に走る市道上市196号線は、駐車場整備に伴う交通集中の円滑な処理を図るため、幅員を現在の10・5mから12〜14mに拡幅し、対面通行ができるようにする。スケジュールは、17年度に測量調査、道路設計、用地補償を行い、18年度から用地補償や工事に着手する見通し。