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建設経済新聞社
2017/08/10

【京都】西京の京都桂病院整備事業 33年にF棟の建替えを計画 新D棟は清水で29年10月着手

 社会福祉法人京都社会事業財団(会長野口雅滋氏、京都市西京区山田平尾町17)は、29年10月から34年6月にかけて、既存棟の建替えや機能移転など大規模な再整備を計画している。
 再整備の目的は3つ。病院全体の老朽化解消と耐震性向上、既存病棟の狭隘性の改善、機能集約と拡充及び明確な動線確保。
 旧耐震のD棟(RC造5階建、延4703・94u(建築面積1270・69u)/昭和50年築)とF棟(RC造地下1階地上3階建、延2346・40u(建築面積1183・47u)/昭和39年築。増築部分はS造、200・69u/昭和55年築)は建替える。
 狭隘性の改善では、病棟における1床あたりの面積を十分確保した上で、食堂や談話室等やスタッフスペースを確保。外来患者の待合スペースの充実など外来部門の充実を図る。
 機能集約と拡充等では、分散したC棟、D棟の病棟を新D棟に集約し、既存A棟の病棟と一体的に運営する。また年々増加する救急搬送に対応すべく将来的にF棟を建替えることで、救急・中央診療機能を拡充整備する。さらに病棟ゾーン、中央診療ゾーン、外来ゾーンを明確に区分けすることにより、外来患者にも利用しやすい病院とする。
 再整備の第1期計画として進めるのは、6月23日付既報の「(仮称)京都桂病院整備事業 新D棟」の建設工事。清水建設関西支店(大阪市中央区・06−6263−2800)の施工により、29年10月上旬頃からの建築着手を見込んでいる。
 高低差22mを超える傾斜地にある京都桂病院について、既存施設の老朽化・狭隘化の解消とA棟、C棟、D棟に分散している病棟の一元管理を目的に、新病棟(新D棟)を増築するもの。
 計画では、京都市西京区山田平尾町17−1他全60筆の敷地4万3643・02u(第一種中高層住居専用地域及び第一種低層住居専用地域)に、RC造地下2階地上4階建(高さ14・88m(塔屋を含む17・83m))、延1万5860・00u(建築面積3200・00u)の増築棟を建設する。増築棟の階層は全6層だが、2層部分を地下化し、地上部の規模を抑え、最高高さを既存A棟と同じ高さにし、周辺への圧迫感を抑える。新D棟周辺は緑地帯を新設する。
 各階には▽地下2階=リハビリ室▽地下1階=薬局、調剤室、売店、管理・機械、荷捌きスペース、ゴミ庫▽地上1階〜4階=病棟、食堂、談話室、スタッフステーション−など収容する。既存A棟の中央から渡り廊下で接続する。旧さつき寮は解体しており、現職員駐車場と合わせ、まとまった用地を確保する。
 完成は32年1月末頃の予定。旧さつき寮部分には職員駐車場(172台)、駐輪場。旧D棟部分には職員駐車場(63台)を配置する方針。
 設計は久米設計(東京都江東区・03−5632−7331)。
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 第2期以降の計画をまとめると、第2期(32年2月〜33年1月)はD棟の健康管理センター、F棟の管理部門を改修するC棟に移転し、D棟を解体。F棟の外来・相談・救急をE棟に移転し、F棟を解体する。
 第3期(33年2月〜34年2月)はD棟とF棟の解体跡地に新F棟を新築し、救急・中央診療機能の拡充と動線整理を行う。外来棟、C棟の外来機能・放射線診断機能の一部を新F棟に移転する。
 第4期(34年3月〜34年6月)は新F棟への移転空地を活用し、外来部門の最終整備を行う。C棟に患者支援センター、地域医療福祉連携室等の相談・連携機能を増設する。