トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2017/08/22

【神奈川】基地の整理・縮小・早期返還を 県と9市

 県と9市で構成する、神奈川県基地関係県市連絡協議会(県市協)は、関係省庁などに対する2018年度の「基地問題に関する要望」をまとめた。基地の整理・縮小・早期返還の他、住宅防音工事や騒音対策、各種支援措置などの充実を求めたもの。また、各市による跡地利用構想・計画も記し、地元の意向を尊重した取り組みを要望した内容となっている。
 県市協(県、横浜市、相模原市、横須賀市、藤沢市、逗子市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市)は、遊休化している基地、住民福祉・都市整備のための公共施設用地として緊急に必要とする基地、周辺住民に多大な障害を与えている基地について、整理・縮小・早期返還を米軍に強く働き掛けるよう要望。返還財産の処分に当たっては、譲与や無償貸し付けなどの優遇措置を求めている。
 住宅防音工事制度は、環境基準を順守した指定区域の拡大などを通じて充実すべきとした。
 また、国による財政的措置と各種支援策について、基地交付金と調整交付金の所要予算の確保を求めた。再編交付金終了後の財政的措置、地域振興策の新設も必要だとしている。
 整理・縮小・早期返還を求める基地を対象とした、地元市の跡地利用構想・計画は次の通り。
■根岸住宅地区(横浜市、日米間で返還方針合意)
 米国風住宅による独特の景観や雰囲気、隣接する根岸森林公園の環境を活用した憩いの空間形成。
■池子住宅地区・海軍補助施設(日米間で一部返還方針合意)
 【横浜市】飛び地について、周辺住民が災害時に利用できる避難場所など。
 【逗子市】広域避難場所を兼ねた自然公園など。
■横須賀海軍施設(横須賀市、一部返還)
 通信試験施設部分は、旧長井住宅地区と一体として利用。
■相模総合補給廠(相模原市、日米間で北側外周部分の一部返還約0・9fについて合意)
 小田急多摩線のJR相模原駅などへの延伸と合わせ、中心市街地にふさわしいまちづくりを早期に進める。また、▽JR横浜線と並行した道路整備で東西方向のアクセス向上▽北側道路の整備による宮下〜上矢部方面のアクセス向上▽北側部分(約33f)と野積み場(約35f)を広域交流拠点の一翼を担う地区として整備―を早期に進める。
■相模原住宅地区(相模原市)
 緑を保全した公園や防災空間としての機能の他、文化、福祉施設を整備する。特に、▽ウォーターフィルタープラント(浄水場)区域の公園利用など▽東側外周部分の道路整備による南北方向のアクセス向上▽北西側外周部分を歩行者用・自転車用道路として整備▽横浜水道道を歩行者用・自転車用緑道として利用―を早期に推進。
■キャンプ座間
 【相模原市】ゴルフ場外周道路の整備による周辺地域の渋滞緩和と南北方向(第7ゲート付近〜県道51号)のアクセス向上▽市道新戸相武台のトンネル拡幅再整備による安全性向上と交通利便性向上▽ゴルフ場を活用した市民憩いの場の整備と防災空間確保▽旧まがり坂(峰の坂道)の復活による東西方向のアクセス確保▽旧新磯高校東側の道路整備による南北方向のアクセス向上―について、特に早期推進。
 【座間市】水道施設用地を公園などとして利用▽チャペル・ヒル住宅地区の返還跡地利用構想に基づく施設整備―について、特に早急整備。
■厚木海軍飛行場
 【大和市】西門南側地区(約5f)の周辺道路としての整備▽遊休化しているピクニックエリア(約6f)とゴルフ場地区(約39f)の厚生施設や市民のスポーツ、レクリエーションの場として利用―を促進する。
 【大和市・海老名市・綾瀬市】一部返還合意された引き込み線部分について、返還手続きなどで地元(地権者)の意向を十分に配慮して丁寧な対応を行う。
 提供:建通新聞社