トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

秋田建設工業新聞社
2017/08/23

【秋田】秋田駅前の一方通行解除等で調査/中心市街地交通の研究会で可能性検討へ

 県都市計画課は、JR秋田駅前周辺の一方通行規制解除を含め、秋田市中心市街地における交通体系のあり方を検討するため、基礎資料となる「秋田市中心市街地交通機能検討業務」を委託する。一方通行規制を解除する場合は、権利者となる県警察本部が実施主体となるが、道路拡幅などのハード整備が発生する場合は県や市の所管課が関わる可能性もある。現在は県と市の関係部局で構成する研究会で検討を始めている。
 秋田駅前の一方通行解除については、過去にも県議会で協議の必要性が指摘されていたが、平成33年度末に県・市連携文化施設が開館する予定となっていることもあり、中心市街地の交通体系を検討することとなった。今回、都市計画課が委託する検討業務は、今年度の6月補正で事業費を確保した分。
 県は昨年11月、交通政策課が事務局となり「中心市街地の交通のあり方に係る研究会」を設置。県と市の交通政策課や道路系の課などで構成する研究会で、先月には第2回を実施して今後の進め方などを協議している。
 県交通政策課によると、検討事項は秋田駅前の一方通行だけでなく、バス交通のあり方や歩行者、自転車交通のあり方など、県・市連携文化施設などを核としたにぎわいの創出も含め、中心市街地における交通のあり方を検討する。
 現在、一方通行となっているのは、JR秋田駅前の広小路を通って旭川前を左折し、旧産業会館跡地前の山王大通り(竿燈大通り)入口までの「秋田停車場線(県道)」と、みずほ銀行秋田支店前の「秋田岩見船岡線(県道)」、北都銀行本店前から始まる中央通りを経由し、フォンテAKITA前、旧秋田フォーラス前に至る「中通本線(市道)」。
 広小路側は全幅20mで、このうち歩道が幅員4.75m(×両側)、中央通り側も全幅は20mで、うち歩道は4m(×両側)、いずれも3車線。うち1車線は朝・夕とバス専用路線になっている。
 仮に一方通行を解除した場合、一般的には道路管理者が設置する案内標識や、警察本部が設置する規制標識の整備などが考えられるが、車線数を増やしたり右折レーンを増設したりする場合、現在の幅員では不足すると見られており、道路の拡幅まで発展する可能性もある。ただ、現段階では一方通行解除ありきの検討ではないため、今後の検討状況により方針は流動的だ。
 県都市計画課が今回、委託する業務では、現在の交通量を把握したうえで交通量推計やシミュレーション分析を実施し、現状の課題を抽出する。業務の対象には、秋田中央警察署近くにあるアパホテル秋田千秋公園の交差点や、脳血管研究センター前なども含まれている。
 今回の業務はあくまで現状を踏まえたものとなるため、同課では来年度、県・市連携文化施設が開館予定の平成33年度末を見込んだ交通量推計を実施したい考え。これらの成果物を基礎資料に、あり方研究会などで協議し、一方通行解除の可能性を検討する。


提供:秋田建設工業新聞社