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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/08/23

【茨城】JR東海が茨城中央工業団地にリニア関連施設拠点整備へ

 JR東海と県はこのほど、茨城町の茨城中央工業団地の4・3haについて、賃貸借契約を締結した。期間は2017年8月〜2026年3月末までの8年8カ月間。同社は、隣接する5・1haと2・8haについても段階的に契約を結び、12・2haを一体的に活用。リニア中央新幹線のガイドウェイ側壁の製造拠点とする。なお19年度末までに同地で行うガイドウェイ側壁製作保管工事は現在公告中で、9月19日まで参加申請を受け付けている。
 ガイドウェイは、従来の鉄道のレールに相当する構造物(側壁・車両走行路)と、モーターに相当する地上コイルから構成しており、リニア車両を浮かせたり、進めたりするもの。茨城中央工業団地内に工場などを整備し、品川駅〜神奈川県内区間におけるガイドウェイ側壁の製作、電気部品取り付け、完成品の保管管理などを行う。
 同社は、工事の本格化を前にリニア関連部材の製造を行う工業団地を探しており、昨年から県と協議を進めていた。同社東京広報室は選定した理由について「ガイドウェイ側壁の製作・保管を行うため、関東地区でまとまった面積の平地を探していた。交通アクセスの観点からも、茨城中央工業団地が最も適していた」と話した。
 今月7日には、茨城中央工業団地内における自立式ガイドウェイ側壁製作保管工事(関東地区)の公募競争見積方式の契約手続きを開始。工事内容はPC製作工事で、製作に必要な設備や製作後の保管管理およびヤード整備を含む。
 参加申請の提出期限は9月19日、見積書の提出期限は11月20日まで。施工方法などの技術提案を受け付け、価格と価格以外の要素を総合的に評価して協議先を選定し、協議が成立した場合に契約する公募競争見積方式で施工者を選定する。
 なお現在公告中の工事は、19年度までに製作するガイドウェイ側壁の工事分となっており、それ以降については、今後検討する。また電気部品取り付けについては別工事で発注する。
 土地については、今回契約した4・3haに続いて、隣接する5・1haと2・8haを段階的に賃借する計画で、すでに県から決定通知を受けている。賃貸借契約の締結時期は現時点では未定。
 茨城中央工業団地は、北関東自動車道の茨城町西インターチェンジを内包した工業団地。工場用地面積69・5ha、分譲面積58・3haで2001年に分譲を開始。JR東海へ12・2haを分譲後の分譲率は約4割となる。