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建通新聞社(中部)
2017/09/06

【愛知】名鉄立体交差で予備設計、山崎川〜天白川で、設計対象を2工区に分割、名古屋市

 名古屋市住宅都市局は、名鉄名古屋本線のうち山崎川付近〜天白川付近の連続立体交差化事業に向けて、予備設計に着手する。このため「名鉄名古屋本線(山崎川〜天白川)連続立体交差化予備設計等業務及び測量業務」の委託に向けた一般競争入札を公告した。事業スケジュールや概算事業費を整理するとともに、駅前広場など周辺道路計画も考える。今回の設計成果は、国土交通省との比較設計協議や、都市計画決定、環境影響評価など、事業化に先立つ調整を行うための基礎資料として活用する。
 同事業は、名鉄名古屋本線のうち、瑞穂区妙音通から南区阿原町までの延長約4・3`が対象。全体事業費を約600億円とする想定をこれまでに示している。区間内には呼続駅から本星崎駅まで四つの駅と14カ所もの踏み切りが含まれる。特に都市計画道路の星崎鳴海線と東海橋線、豊田新屋敷線との交差部はボトルネック踏み切りに位置付けられるなど、交通上の課題となっている。2006年度に着工準備採択された後、基礎的な設計や検討作業を重ねてきた。
 山崎川の前後区間は治水上の対策が必要なため、別途、先行して整備を検討中。このため、今回委託する業務では、呼続駅の南側から天白川までの延長約3・9`が対象となる。局はこの区間を、都市計画道路弦月宝生線を境に北側の桜・本笠寺地区(延長約2・6`)と南側の本星崎地区(約1・3`)に分割。各地区の工事には最低でも15年が必要と見ている。
 予備設計業務では、鉄道基本検討として、連続立体交差化の課題を整理する。桜・本笠寺地区では、前後区間との計画の整合性や、桜駅と地下鉄桜本町駅との乗換利便性の向上などを検討。本星崎地区では、同駅部での曲線半径の決定や、桜・本笠寺地区の計画との整合性を課題に挙げている。
 一連の検討結果を踏まえ、今後の事業スケジュールや概算金額を整理。平面設計と縦断設計も行う。
 さらに、駅周辺地区の土地利用状況などを踏まえ、駅前広場や車寄せの整備、周辺道路交通の在り方についても基本構想を立案し、動線計画を作成する。また、7路線の交差道路について縦断計画を作る。
 この他、延長約3・4`で地下埋設物など調査を実施。道路7路線の縦断測量も行う。委託の履行期間は18年3月まで。
 事業主体は市だが、高架部の実際の工事は名古屋鉄道に委託して実施することになる。基本設計と概略設計、実施設計などでさらに設計を詰めていき、都市計画を決定。事業認可と、名鉄との協定締結を経て着工する。

提供:建通新聞社