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西日本建設新聞社
2017/09/07

【熊本】熊本市が大規模造成宅地の崩落対策 総事業費33億

 熊本市は、熊本地震で被災した大規模盛土造成宅地を復旧するため、北区龍田地内など市内9カ所で滑動崩落対策事業を実施する。すでに1カ所で工事が始まっており、平成30年度までに順次着工していく考え。総事業費は概算33億円を見込んでいる。
 熊本地震では、斜面等を開発し整備した宅地で、盛土の滑動崩落や擁壁の倒壊・はらみ等が多く発生した。被災宅地のうち、▽10戸以上・3000平方b以上▽5戸以上・地盤面20度以上かつ盛土高5b以上―の大規模造成地は、公共事業として自治体が復旧する。
 市が実施するのは、@龍田3丁目西A龍田陳内2丁目B龍田3丁目東C龍田2丁目D清水岩倉1丁目E龍田陳内3丁目F池田1丁目G池田3丁目H城南町鰐瀬―の9地区。対象規模は当初調査時点で合計約25f(約400戸)。
 昨年12月には、このうち5地区の詳細設計に先行して着手。今年6月に残り4地区の詳細設計も開始し、被災状況の把握や滑動メカニズムの調査、対策工法の検討等を進めている。
 工事は、地すべり活動を停止させる抑止工と、地すべりの要因となる雨水の浸入を防ぐ抑制工を実施する。まず抑止工として、アンカー工、鋼管杭打工、網状鉄筋挿入工等を施工。その後、抑制工として側溝改良や舗装工等を施す。
 現在、龍田3丁目西地区で抑止工(土木工事)に着手しており、他の地区についても今月から順次発注していく予定。今年度末からは、抑止工が完了した地区で抑制工(舗装工事)に着手し、30年度中に全地区の復旧を終える見通し。

提供:西日本建設新聞社
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